資料室

関連書籍

白蘭
岡本八千代著。国会図書館デジタルライブラリへのリンクを貼っておく。著作権保護期間満了のた め、全コマダウンロード可能。小説家の著者は、趣味として佐賀錦を織っていたらしく、白蘭という随筆集で佐賀錦に触れている。曰 く「佐賀錦を織るときおしやべりをすればきつと間違ひます」とのこと。すでに亡くなられているとは思うが、仮にご存命で、鹿島錦 保存会の教室を見学にいらしたら、「実に五月蠅ひ」と激昂されるのではなかろうか。ちなみに私の場合はしゃべらなくても間違え る。
内職に関する調査
東京市社会局編。リンクは国会図書館デジタルライブラリ。佐賀錦の由来の説明に難あり。道具を 「あばり」ではなく「あぐり」と記してある。刊行された大正時代はあぐりで通じた模様。必要な練習期間「一週間から一ヵ月」に 涙。そんなわけない。
鹿島市制三十周年記念市勢要覧
鹿島図書館に収蔵。若き日の樋口先生の姿も。文化祭展示の方法は、今では考えられないほどワイル ドでアグレッシブ。
鹿 島市制六十周年記念市勢要覧 三十周年の時より扱いは悪くなっている。まあ、いろいろ時代も変化したし、仕方ないか。リンクは 鹿島市の当該ページ。電子書籍用ファイルやPDFデータがある。
日 本の伝統染織事典
中江克己著。日本全国津々浦々の織物や染物について紹介した本。2020/10/12時点、鹿島 市民図書館に収蔵あり。ちなみに私が借りているため、返却するまでしばし待たれよ。佐賀錦のことも紹介されているが、若干事実誤 認あり。リンクはAmazonの商品ページ。アフィにあらず。
すぐわかる染め・織りの見わけ方
丸山信彦監修。鹿島図書館収蔵。こちらも全国の染織について解説した本だが、写真が豊富で視覚的な楽しみに満ちている。相変わらず材料に関する解説が微妙。もしかしたら佐賀市の担当部署が勘違いしたまま説明しているのかもしれない。色漆は、「漆箔を貼る」のでなく、単に下地の上に色漆を重ね塗りするだけのはず。「熟練者も少数ない」など誤植があるのも残念。それと、現在高級な希少品となっている、のではなく、昔から高級な希少品。古書が安く出回っているのでスキャン用に購入した。
佐賀錦
毛利元博著。作品写真の中に3-1の図案がやたらと多いのが佐賀錦風だなというのが第一印象。歴史的経緯も詳細に記してあり、昭和に出版された本の中では出色の出来と思われる。図案も豊富。ただしちょっとスタンスがスノッブ。
肥前おんな風土記
佐賀新聞社刊。豊増幸子著。P168~P172に「佐賀錦を継ぐ人々」として紹介してある。まだ古賀八千代さんがご存命の頃。この書でも「あぐり」の表記が見られる。検索をすると「肥前おんな風土記」「新・肥前おんな風土記」の二種類が見つかる。後者は続編で、前者には記載されていない佐賀にわかの筑紫美主子や医学博士の大橋リュフなどが掲載されている。
佐賀錦 古賀フミのわざ
文化庁企画、桜映画社制作。価格は30,000円とのこと。どう考えても図書館で借りるが吉。佐賀錦・鹿島錦を通じ、初めて人間国宝に選出された古賀フミ氏のインタビューと作品を紹介した短編ドキュメンタリー。板機と巻台の中間的存在の中台という織り台を用いて織られる姿が収録されている。
佐賀錦の形:伝統に「美」を織り込んで
現紗綾の会代表の井手美也子氏と井手久美子氏の共著。織り手としてもベテランのお二人だが、学術的なアプローチに関しても、他の追随を許さないのではないか。鹿島錦保存会にも言及あり。ありがとうございます。
佐賀錦の形2:鍋島直彬の手紙と大隈重信
井手美弥子著。ポーラ伝統文化振興財団の助成を受けての上梓で、母親の井手久美子氏との錦にまつわる思い出に関しても記されている。鹿島錦に関しては言及は控えめだが、それでも鹿島を源流としていることを明言してくださっているのがありがたい限り。見事な織りの写真も豊富で、色の入れ方、図案の描き方などの勉強にもなる。英訳が同時掲載されている。
衣小夜がたり
鳥越碧著。雑誌「美しい着物」にて連載された、各地の伝統的染織品をマテリアルとした短編小説集。分類するなら時代物恋愛小説。佐賀県からは「佐賀錦」と「鍋島更紗」が取り上げられている。雑誌掲載作ということで、肩の凝らない平易な文体で仕上げられており、気楽に読める。
その他
※編集が面倒なのでまとめて。国会図書館にてIDの本登録をすることで、自宅の端末で読めるようになります。2023年3月時点で検索を断念しました。資料の数が増えて追いつけない。

・衣生活13(1)(148)……P44~P45に古賀フミさんの紹介記事。
・民藝.(53)……P38~P39に古賀八千代さんの紹介記事。

・婦人の内職……P13~P25に相良好子刀自とからめて内職としての佐賀錦の紹介あり。印度伝来説は多分更紗か緞通との混同。

・発明 = The invention. 80(4)……表紙に佐賀錦作品仕様。

・伝統と文化. (13)……P35にて佐賀錦の紹介記事。

・女性教養. 2月(529)……P10~p11に徳島静江さんの紹介記事。

・実業往来. (197)……P132にて井上佐賀錦の紹介記事。

・佐賀錦製織法 : 美術工芸……一冊丸ごと佐賀錦。ただしわかりづらい。特筆すべきは「あぐり」表記の点。

・コンセンサス = Consensus. 1989(1)……P10~P11に井手美弥子先生の御母堂、井手久美子先生の紹介記事。

・現代之図案工芸. 9(2)……P22~P24で津軽承昭(つがる つぐあきら)伯爵の御母堂による佐賀錦の記事あり。

・刑政. 104(2)(1206)……麓刑務所で刑務作業として佐賀錦が選ばれた経緯などが説明されている。鹿島錦保存会にも言及あり。わずか一行にも満たないながら。

・日本の伝統織物……245と246ページに佐賀錦の記事。248ページには幻の「長崎錦」に関する言及も。

・手芸の事典……124ページから毛利愛子氏による佐賀錦の紹介記事。実際の織り手だけあって詳細に記述されているが「元来鹿島錦は綾織だけ」「その名称は忘れられた」など、やや傲慢な表現も。側仕えの並木「並木田十」と表記されている。他の資料との統一性がないのが困る。字(あざな)か何か? 「一寸(約30cm)」などの誤表記も修正してほしいところ。ちなみに初めて知ったが、緯糸には極細糸もあるとか。

・九州商工時報……「佐賀錦は現在婦人たちのサークル活動」という表記に悪意を感じる。鹿島錦保存会の本部は以前は中川にあったようで、その件に関する記述もあり。ただ名称を間違えていて「佐賀錦保存会」と表記されている。誰も訂正しなかったのだろうか。

・佐賀県の人物と遺跡……59ページに鹿島錦と佐賀錦を一緒にして短い記述あり。資料写真は祐徳博物館収蔵の鹿島錦。

・技芸之友(6)……1906年刊の雑誌。鹿島錦を紹介した印刷物としてはかなり古い。「藤津郡鹿嶋」、「同地の鍋島子爵婦人」という表現が100年以上前の本だなあという印象。

・きもの風土記……大滝英子著。幻の「長崎錦」の織り手河村翠さんへのインタビューを収録。「草履は邪道」とご立腹。鼻緒なら良いかも。

・日本百貨店協会会報 (1148)……1984年当時の本佐賀錦のバッグは50万、草履は30万ほどだとか。

・流行手芸百種 : 内職にも向く手芸品の作り方 (主婦の友の生活叢書 ; 第26)……最後のページ、見開きで織り方を雑に紹介。1951年の本ですでにタティングレースやテネリフェレースの作り方が解説されていたことにまず驚き。

・日本の美 第10 (九州 第1)……P121に佐賀錦の写真。織りたくない図案の筆頭格である七宝の作品も。

・錦のしほり 第一輯……西村満代著。校閲は鍋島政子刀自。「初歩的な図案を収録している」とのこと。卍だけの図案は恐ろしくてヨーロッパの人の前では織れない。


・図説 佐賀県の歴史と文化(P269)……佐賀錦の由来を簡単に解説。

日本発見 伝統工芸 風土に生きる民衆芸術のこころ
全国の伝統工芸が網羅された本。経済産業省の定義する「伝統工芸」ではない佐賀錦が掲載されているということで、この場合の「伝統工芸」が、俗称、あるいは通称として用いられていることがわかる。祐徳博物館に関しての記述もあり。ただし「佐賀錦」として紹介されている。ぷんすか案件。
アキとマキの愛の交換日記
平岩弓枝著。佐賀錦を織る劇中人物が出てくる。
肥前国誌
藤津郡の項に鹿島城(鹿島陣屋・鹿島屋敷)の図面。限定500部のため入手困難。
染色と生活第3号
「そめとおり」の別冊。更紗の特集記事で鍋島更紗が紹介されているだけでなく、佐賀錦の古里(原文ママ)として、肥前鹿島が紹介されている。昭和48年刊行。これまでに私が読んだどの本よりも鹿島錦とその歴史について詳細に報告してあり、鹿島錦保存会の会員であれば一読の価値はある。デジタルコレクションには2023年11月20日時点で収録されていないが、おそらく国会図書館の複写サービスは利用できると思われる。←未確認。
日本物産館
読売新聞関西本社社会部編。島根以西の地域の特産品を紹介。佐賀からは佐賀錦と有田焼。佐賀錦に関しては「紗綾の会」の取材記事となっている。