FAQ

 用語集があまりにも杜撰(註・ネタ系)のため、別途作ってみました。親切心を最大限に発揮してページ内リンクを貼ろうかとも思いましたが、やり方を調べたら面倒になったもんでよう。随時追加予定。

入会に条件は要りますか?

鹿島錦を織りたいという意欲があればどなたでも歓迎いたします。性別も年齢も居住地域も国籍も不問です。入会希望の方は、祐徳博物館の鹿島錦保存会事務局までまず連絡をお願いいたします。※電話番号は祐徳稲荷神社の社務所と同じ0954-62-2151。「博物館の鹿島錦保存会事務局につないでください」と伝えれば回してもらえます。

初期費用はいくらくらい?

入会金が1,000円。月会費が500円になります。会計担当会員の負担を軽減するため、会費は半年分、あるいは一年分の一括納入という形をとっています。12月決算で、途中入会の方はその都度必要な分を納入しますが、入会金に関しては一律1,000円になっています。

なお、都合四枚の基礎織が終了するまでは会の道具や材料を無料で使えます。基礎織終了後は、お祝いとして紛金を半反拍手とともにいただけます。糸に関しては自分で準備しないといけませんが、在庫を抱えて持て余している会員が割引価格で売りさばくプチイベントなどが時々開催されますので、まずはそのような機会に調達推奨。

織り台やへらなど、規約の上では一年貸与ということになっているものに関しては、実際のところ何年かかっても基礎織の間であれば返せと催促されることはありません(ただしこれはその時々の関係者の堪忍袋の容量による)。京都スタイルで「えらい時間かけて丁寧に織りよるねー」と釘を刺されることはあるかも。一応会としては基礎織を終える=ある程度は続けられるという認識で貸し出しを行っているため、一番よいのは基礎織終了時点に合わせて自分の台を購入すること。会が貸し出す台や道具は助成金で制作したもののため、購入は不可。退会される会員さんから中古で買うか、あるいはネットのオークションなどで落札するか、もしくは鹿島市内の小池木工所にお願いして新しくあつらえてもらうか、いずれかの方法で準備します。

新しく作る場合、付属品は固定用のネジ釘と起し板だけで、ヘラやあぐりは付属していませんので注意。小池木工所さんで作ってくださる台には大・中・小とあり、小台でも最大27.5cm幅のものが織れます。佐賀錦にはより小さな台があります。角度や高さ、起し板の威圧感、引っ張り紙を巻いた芯の留め方などに差異があるとはいえ、織るには問題ないです。

教室の場所は?

事務局は祐徳博物館内にありますが、現在の鹿島錦教室はエイブル3Fの生活工房が会場となっています。以前は鹿島市社会福祉会館だったとのこと。

別ページにも記載しています通り、木曜教室が入会後在籍10年未満の会員が練習をする場となっています。コロナ以前は基本的に第一木曜から第四木曜まで毎週開催されていました。現在隔週開催となっています。開催予定日がイレギュラーなため、トップページに固定している記事で確認をお願いいたします。

休んだら怒られますか?

仕事や体調不良など、正当な理由があれば休めます。正当性がない理由であってもさすがに大人の手すさびのため怒られはしませんが、過度に休み過ぎると他の会員から「最近あの方みえんねー」と寂しがられます。時に病気説が流れます。

糸掛けは何年くらいで許可が出ますか?

平織りの目に糸を掛ける許可が出るのはおおよそ基礎織の四枚目から。基礎織三枚目までの平織りは、面倒でしょうが自分で拾って織ることを推奨されます。すべての段に糸を掛けていいという許可をもらえるのは、私の場合は四年半を過ぎた頃でした。だいたい五年前後になるとはいえ、初心者教室の間は毎回すべて糸を掛けるのは推奨されない模様。花菱や七宝など、偶数目が混ざって拾いづらい段に保険として掛けておくなどは、数枚織られた方なら問題ないと思われます。ダメ出しされたら「いえ、これは安心感を得るためのおまじないみたいなもので、実際には使いません」と言い張りましょう。

そもそも基礎織って何?

鍋島家伝来の古式ゆかしき鹿島錦の練習方法です。まず紙と紙でパターンの出し方を学び、紙と木綿糸での練習に入り、最終的に通常の織り方で織ります。もっとも保存会では木綿糸は使わずいきなり絹糸で織ります。佐賀錦などでは躊躇なくすっ飛ばされます。詳細は鹿島錦保存会のページにも記載しています。

故・樋口ヨシノ先生によると、「基礎織に一年、小物に三年、十年織って一人前、その後は一生勉強」とのこと。早い人なら半年もせずに基礎織卒業可能です。

仕事の傍ら織れますか?

ベテラン勢の中にも仕事の傍ら続けられてきた方が何名もいらっしゃいます。隙間時間を有効に活用できる方なら問題ないかと。ただ、相当時間がかかる織物なので、そのあたりはお覚悟を。

商品の販売は出来ますか?

販売用の品も制作できますが、現状鹿島錦の製品は鹿島駅/大正屋/祐徳博物館のみの販売になっていて、その他はふるさと納税や、先の施設の関連サイトでの通販でしか扱われていません。そもそも「鹿島錦」は商標登録されていますので、その名前を勝手に使った製品の販売は出来ません。佐賀錦としてなら個人販売も出来るのかもしれませんが、現実問題として手間がかかりすぎて売りさばけるほど作れません。鹿島市からの依頼で記念品用のストラップや印鑑入れを作るだけでも謝礼が出ますので、それを楽しみにコツコツ織るという手もあります。

収入源にしたいなら、需要があっても他の誰も作らないジャンルの製品を作るなど、ニッチな部分を攻めるのが肝要かも。

材料の購入はどうすれば?

割引価格で購入するために、材料は会でまとめて注文しています。ただし、経紙の場合は最低20枚にならないと注文してもらえません。これは京都の切屋さんの都合です。糸も注文後の染めになるため、一つの色に関して注文の合計が十数巻(うろ覚え)など必要になります。すぐにぼかし糸が必要な場合などは、割高にはなりますが、越前屋さんで購入した方が早いでしょう。

鹿島錦の材料はもともと京都の西陣織のもの。経紙は引き箔と呼ばれ、一部の西陣織で緯糸代わりに使われるものです。錦糸は三子撚りといわれ、三本の絹糸で撚られています。絹糸の中ではミシン用が一番近いそうな。

佐賀錦との違いは何ですか?

まずもって知名度と織り手の数(´;ω;`) 知名度に関してはお菓子が最強。ただしあちらの正しい商品名はさが錦。検索の邪魔になるので佐賀錦表記でSNSに投稿しないように。一口に佐賀錦といっても地域性があり、東京などでは模様織を好む人も少なくないようです。古式ゆかしき佐賀錦=鹿島錦は、綾織が基本。模様織もなくはないですが、基礎織以外ではあまり見ませんね。

佐賀市内で制作されている佐賀錦に関しても、もともとは鹿島鍋島家やその関係者に奉公されていた方や祐徳稲荷で行儀見習いをされていた方から伝わった物が多いのですが、どういう経緯か、①へらの持ち方 ②道具の名称 ③観世撚り使用の有無 などに差異があります。特に道具の名称は佐賀錦ではあばりが一般的ですが、紗綾の会や鹿島錦などはあぐりになります。大正時代の関連書籍では東京であってもあぐりで通用しているようです。経紙の貼り方も、鹿島錦の場合は奥を分割して貼るというようなことはしません。なぜかは謎。

観世織りに関しては、筮竹などで充分代用できるので、個人的には不要かなと思います。

定期展はありますか?

毎年確実に開催されるのは3月下旬からGW最終日までの祐徳博物館での作品展と、11月の鹿島市文化祭。この二つが主要な作品展になります。イレギュラーに作品を出展する機会もなくはないのですが、その場合だいたい依頼を受けて出すという形。

帯は織れますか?

まあ……十数年織り続けた人なら、糸掛けをして一年それだけにかかりきりになるのであれば、多分織れると思います。帯用の台があるので、それも必要。現状佐賀錦や鹿島錦として販売されている帯は、あくまでも佐賀錦・鹿島錦風の織物であり、本物ではないのであしからず。参考までに、手織りの「本物の」佐賀錦や鹿島錦製品の東京の百貨店での価格は、1984年当時、ハンドバッグが50万円、草履が30万だったとのことです。