鹿島錦用語集

 適当なことこの上なし。

あぐり
糸を巻いて経紙の間を通すための道具。ジャガード織り機などで使う杼(ひ)の代わり。佐賀錦では「あばり」 と呼ぶ。漁師さんが使う網を補修するための針と同じデザインのため、「網針」からの転訛と思われる。十中八九方言。
ひっぱり紙
織り台の巻取り軸に貼り付けられている和紙。だいたい2cmごとに平行に線が引かれていて、それ を目印に経紙の上下を貼り付けて織る準備をする。
糸掛け
糸綜絖とも。経紙は和紙で出来ているので、普通の綜絖は使えない。東京では綜絖用の道具も複数考 案されているが、鹿島錦保存会で用いるのは糸綜絖のみ。糸はミシン糸を使う。鹿島錦では、佐賀錦で通常用いられるこよりも使わな い。最初から使わないのか、あるいは途中から使わなくなったのかは不明。糸綜絖は、平の目だけでなく、綾の目に複数かけること で、糸を拾う手間を省いた早織りが出来る。
3-1の図案
糸上3目、糸下1目を基本にした図案。すでに拾って確保してある平の目を利用し、早く織ることが 出来る。佐賀錦では多用される。上に浮かせた平の目で綾を拾うことから、別名「浮き綾」。
3-3の図案
糸上3目、糸下3目を基本にした図案。3-1よりも織るのに時間がかかり、縮みやすい。鹿島錦の基本。3-1の図案を織ると、先生から悲しそうな顔をされる。
女子会
会員が参加する地域の婦人会のこと。Mさん名言集より。
合コン
会員が参加する地域の老人会のこと。Mさん名言集より。
並木某(並木多仲)
鹿島鍋島藩の家臣。手先が器用で、柏岡の方の求めに応じて観世撚りを使って細工物を作り、評判となる。てっきり近侍の女性だと思い込んでいたら、男性だったそうな。衝撃。昭和8年刊行の佐賀県大観によると、並木多仲昌生が正しい名の模様。諱は昌生か。草案の功により「織之助」の名を賜ったとある。
隠し糸
綾織の間に入れる平織りの糸。目立たせたくない場合は経紙の色に合わせて、本金なら金糸、銀やプラチナならそれに合わせた細糸を使う。逆に目立たせて差し色として用いることも可能。隠し糸を入れる理由はいくつかあり、①装飾・②初心者の縮み防止・③細糸で織る場合の図案のつぶれ防止・④畔織などの場合の補強・⑤前記の理由を複数組み合わせるケースが存在する。
落語部
部長Mさんを筆頭とする落語や講談などの古典大衆芸能が好きな会員のミニグループ。エイブル落語会で、自作の鹿島錦作品を記念品として演者に提供することを夢見て、水面下で活動中。
アノマロカリス現象
綾織の時でも両端は必ず二目~四目平織りをするが、この部分を「岸」と呼ぶ。初心者の間は岸の部分のたわみがひどく、波打って収拾がつかなくなることがある。この現象をカンブリア紀の覇者の姿になぞらえ、「アノマロカリスになったー」と表現することがある。別称「ホウネンエビ」。
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