ウインドシンセに物申したい

 もう何年前になるか、AKAIのウィンドシンセを買ったわけですよ。鹿島錦を始める前なので、下手したらまだ三十代だった頃。あれは結構高かった。ウインドシンセとはなんぞという人にかいつまんで説明すると、息を吹き込んでフルート運指などで操作できる電子楽器。本来ならうひうひひゃっはーと演奏するのが本筋ながら、私の場合は途中で飽きて毎度恒例タンスの肥し。肥しのやりすぎで育って仕方ない。タンスが。

 ウインドシンセの何が嫌だったかというと、いちいち息を吹き込まないと音が出ないところ。組み込まれたセンサーが吹き込まれた息を感知して、息を吹き入れた時だけ鳴るという仕組みで、より笛っぽさを演出しているわけですが、私に言わせればそんな機能は要らんのよ。せめて指の操作だけで音が出るモードも作ってくれれば、生粋の笛っ子にとって未来永劫隣の芝の弾き語りとか歌い弾きが楽しめるものを。

 本格的に音楽をやっている人たちなら、ピアノをはじめ複数の楽器を演奏できるでしょうけど、こちとら五十越えの素人なもんでよう。人生の残り時間も限られているので、そうそう時間を割いていられねえんだわ。

 エレフエに切換のスイッチがあれば買うのにと、昨晩ひとしきり嘆いた次第。呼吸器系に問題があるけど笛を楽しみたい人とかもいるはずなのによう。センサーの感度を変える程度では、私の需要に追いつかねえんだわ。

※比喩ではなく、空いているタンスに本当に楽器を収納しております。棄てたくないもんで。

※オカリナ型ウインドシンセをNIGHTが開発中とか。今年度末に販売予定だってさ。欲しい。