ふるさと物産館

 仕事の作業の合間に国会図書館のデジコレ散策。なんか知らんけどルーターの営業の人が来て仕事どころではなかったもので。今日の収穫は昭和56年刊行の「ふるさと物産館」というフォトエッセイ。佐賀錦が紹介されているのを発見。ページの構成がちょっとわかりづらいですが、佐賀錦を織る井手久美子先生のお写真の次のページがなぜかスルメ作りの写真で、その後佐賀錦のことが紹介されています。井手久美子先生への取材なので、当然鹿島錦保存会のことも紹介してくださってますよ。読売新聞西部本社社会部編。

 前々から気になっていましたが、佐賀錦だと奥側の経紙を放射状に貼られる場合があるんですよね。俵藤照さんの御本だったかな、軽くやり方を説明してあるのを読んで、衝撃を受けた記憶。縮む呪いに苦しめられていた時期でしたので、一度実験したかったのですけど、暴君ハバネロ 大先生から怒られるかもしれないということで、結局試さずじまい。今はもうやろうとも思わないかな。縮んではいけない織りの時に保険としてやるのはありかも。当時のトヨタカローラ佐賀の社長さんも「わたしと佐賀錦」というタイトルで寄稿されています。

 きちんと手織りの佐賀錦を取材した本の絶対数が少ないため、一読の価値はあるとして、筆者=この場合記者の先入観が投影されてる点が若干気になります。佐賀錦は別に「女性がやるための織物」ではないわけですよ。そもそも出発点がメンズの並木多仲ですから。発案者の柏丘の方とは、マンガでいうところの原作と作画の関係。今度そんなこと書いたら、余った絹糸でぐるぐる巻きにして大ベラで脇の下を泣くまで突き続けるので、そのつもりで。

 私が小学低学年の頃の本のため、当然今は一般書店には出回っていませんけれど、古書専門の検索サイトで調べたところ、幸い初版本が400円というお値打ち価格で販売されていましたので、早速スキャン用に買いました。

※昭和56年時点で、鹿島市内にもう1グループ織り手の会があったという話。今音楽室で織られているサークルさんとはまた違うのかな。資料室のページには、本が届いた後で追加します。