後継者不足かあ

 旧twitterで玉川奈々福さんが呟いてらっしゃいましたが、どの伝統工芸も後継者不足で大変みたいですね。だって皆買わねえんだもんよう。私もそうそう他の工芸品を買えねえしよう。

 伝統的工芸品は高い高いって言われますけど、その分膨大な手間暇をかけていますし、材料も最高級だったりしますからね。もう鹿島錦同様、金銭の授受とは無縁のところで好事家が続けていくしかないんじゃないでしょうか。そもそも、必要としてくれる人がいなければ職業として成立すらできないというシビアな世界だし。私も正直鹿島錦で生活したいとは思わない。生活するためなら、販路を拡大した上で、今販売されている値段の十倍くらいに価格設定しないと無理でしょう。海外のお金持ちが大盤振る舞いしてくれれば、活路を見いだせるかもしれない。まあうちの場合はもともと生計とは無縁のところで脈々と続けられてきたという背景があるため、現状販売価格も「お気持ちとして頂けるならこのくらい」という決め方。高級品と言われはしますし実際そうなのですけれど、収支のバランスが取れないことを最初から認識した上での、武士は食わねど高楊枝方式の生存戦略を図っており、生活を兼ねて制作を続けられてきた方たちと同列には扱えないのは自覚しています。

 よしんば副業にしかならなかったとしても、好きで続けられればそれだけで御の字だと思うよ。人生経験としては貴重だし、私自身も、誰も持っていない自分だけの錦グッズを手にしてキャッキャウフフと悦に浸れるだけで嬉しい。まあどの程度の設備を要するかとか、分業制の場合どのくらいの人の手を経なければいけないのかとかも関わるでしょうが、続けられるなら続けてほしいです。他の工芸品も。

 余談ながら、「辞めます」と宣言した途端に「かげながら応援していたのに」とかひょっこり出てきて言い出す人達には、いい加減にしなさいと物申しておきたい。墓に着物は着せられぬと昔から申します。推しは推せるときに推せ。人であっても物であっても。

※市役所とかの商工業を扱う部署で、嘱託として雇ってくれるのが一番早いんですけどね。こまごまとした仕事をこなしつつ制作を続け、特産品の販売所やふるさと納税に卸す品を作る。ただ、伝統工芸の制作技術を無形文化財として残したいと自治体が本気で思うかどうかがネック。国内の状況を鑑みると、ちょっと宣伝を手伝うだけで後は放置のところが著しく多そう。

※浅浦甚八笠も、もう作る人はいないそうな。もったいない。

※ケーブルインターネットの速度が少し上がっていた模様。都市部の人から嗤われてしまうような数値ですが、私の利用状況であればこの程度で充分。