今年はほとんど種をまかず

 こぼれ種から成長したお子らを大切に育てています。朝顔はずいぶん前から花を咲かせてくれていましたが、ながなが放置。反省しつつ今日久しぶりに水盤にして、職場の玄関に飾ってみました。やはり人生には余裕が必要だ。なおスマホを忘れたので写真はなし。

 余裕と言えば糸の渡しですよ。鹿島錦を始めたばかりの頃教わった方法は二種類。当時副代表をお務めでいらしたY先生流とMさん流。Y先生流は、普通に山を作る、ただし頂点を尖らせること敵を認識したミジンコのごとくでしたが、Mさん流はちょっと独特。すでに退会されましたので詳細をお訊ねすることはかないませんけれど――

①目を拾って糸を渡す
②その目のままゆとりを入れて、軽く抑える
③次の目を拾って、その目で②の状態の糸を押さえる

 という感じで、手法としては佐賀錦振興協議会さんや東京の佐賀錦のやり方に近い。Mさんご自身が同じやり方で織られていたかどうかは不明。余談ですが、先日買い物中にお見掛けした限りは、お元気そうでした。

 いろんな人からいろんな情報をもらってたどり着いた答えは、とどのつまり十人十色。個々人の体の癖や力加減、道具の様態などさまざまな因子がからみあっていて、ある人の方法では問題ないのに別の人が同じことをやると収拾がつかなくなるケースもあるので、まあ織って自分に合った方法を模索するしかないのかなと。

 鹿島錦は平の目で押さえるのが基本と言われます。しかーし、それが果たして創案者の柏岡の方の頃から連綿と続く教えなのか、そのあたり調べようがないのが困ります。

※佐賀錦製織法(大正9年)によると、通した後トントンとヘラで整えた後、次の目を拾っても押さえないらしいです。二段目以降も同じ。それでもいいんだ。

東京婦女会 編『佐賀錦製織法 : 美術工芸』,東京婦女会,大正9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1182692 (参照 2024-07-08)より引用。