銀線細工かっけー

 銀線細工とは、いわゆる「フィリグリー」のこと。Yahooニュースの記事をGoogleさんがピックアップしてサジェストしてくれたので、早速、こちとら仕事中で忙しいのにまったくようとぼやきながらも読んでみました。

存続の危機だった秋田銀線細工「おばあちゃんのアクセサリーだった」伝統的工芸品を絶やさない「TOUROU」の挑戦

 もともと日本で銀線細工を作っていたのは、長崎の平戸。平戸藩の江戸屋敷が秋田久保田藩の屋敷と近く、秋田弁と平戸弁で仲良しこよしのきゃっきゃうふふだった関係で、細工の技法がはるばる東北まで伝わったという話を聞いたことがあります。フィリグリー自体はヨーロッパや東南アジアなど、いろんな国で制作されていますが、久保田藩には日本最大規模だった院内銀山などもあり(今調べた)、銀の産出量が豊富だったそうですので、そういう部分での利もあったのかな。平戸銀線細工は悲しいことに完全に廃れてしまいましたけれど、秋田の方は脈々と伝えられ、発展を遂げ、今でも健在。平戸で続いていれば、鹿島錦と気軽にコラボできたかもしれないのに、残念。

 我らが鹿島錦が明治期には全国的には佐賀錦として認知されるようになったのにも似て、もともと平戸細工と呼ばれていた日本の銀線細工も、今でははるか昔からそうであったかのように、何の疑問もなく秋田銀線細工と呼ばれるようになりました。鹿島錦は残っているので無くなったわけではないにしても、その経緯にはいろいろと考えさせられます。とりあえず鹿島錦保存会は会員を増やさんとね。

※一度は制作体験に挑戦してみたい銀線細工。でも昔のように、鹿島錦と組み合わせるために自分でも作れるようになりたいとはもはや思いません。錦だけでも手一杯。金糸と絹糸のマクラメでええわ、わしは。何より制作時に頻繁にバーナーを使いますからね。豚の角煮を作っていてキッチンごと燃やしかけた私がバーナーなど手にしたら、ははははすべて燃え尽きてしまえと、多分家全体を消し炭にしてしまうこと請け合い。下手したら隣家まで巻き込む。やはり危険な作業を伴う工芸品の製作は、慎重で丁寧な人がやるべきでしょう。鹿島錦は火を使わんからいいよ。そういえば基礎織の時、むせてコーヒーをぶちまけたりもしたっけ。織り台に正面から向かっている時は飲み物禁止ということで。