納豆食べたい。三十代までは大嫌いだったのに今は食べたくて仕方ない。今から十四年近く前、ある日突然夜中にむくっと目を覚まして「納豆食べてみよう」と思い立ったのがなぜなのか、今でも不思議でたまらないわけですよ。おそらく体が納豆の栄養素を求めていたんでしょう。なんせ丑三刻に近かったもので、そろりそろりと家族に見つからないようキッチンまで下りて、冷蔵庫の中にあったおかめ納豆を何かに憑かれたような感じで取り出して、たれと辛子を混ぜた後、まず一粒口の中に放り込んではむはむ。意外に食べられることに気付き、数粒さらに様子見で食した後は一気にどかっと――
ひところは発酵器と乾燥納豆菌で自作納豆作りにも精を出しておりました。面倒くさくなってやめたけど。買った方が早いし、企業努力には素人は勝てねえんだわ。
実は冷蔵庫の中に入っていたパック状の食べ物を納豆だと思い込んでいたために、昨日は買わずじまいだったのですよ。今日昼に取り出して見たら絹越し豆腐でやんの。きー。