補足しておきますね

 昨日アップロードされた県の広報動画の中で、動くA先生が「若い人にも始めてもらいたい」というようなことをおっしゃっていますが、その件で「いや、木曜日中にしか教室やっていないのに何言ってんの」と訝しく思われる向きもあるかもしれませんので、補足。平日であっても夜間に開催するのであれば、社会人でも学生さんでも参加しやすいのは重々承知しておりますが、鹿島錦は本金、あるいはプラチナや銀などで織ることが多く、光の加減によっては反射ですこぶる織りづらいのですね。真上からの光を避けつつ、かつ、拾う目が判然とするほどには明るくないといけない。人間国宝の故・古賀フミさんなどは夜間に織られていましたけど、あの方は白漆を基本に製作していらしたので、反射に困ることはなかったでしょう。かく言う私も夜間に織っていますが、私の場合は単にその状況に慣れただけ。慣れるまでは結構大変やったで。

 多分始めたばかりの人が反射の強い経紙で夜に織ると、目がくらくらして大変な思いをすること請け合い。もし夜間に初心者教室を別途開催するとしたら、少なくとも基礎織の間は、色漆や変わり経紙などに限定しないといけないでしょう。んでもって一言付け加えるなら、その手の経紙より、本金の方が織りやすいんよ。金は柔軟性に富んだ金属のため、感触が柔らかで拾いやすい。

 いずれは私たちの世代が、曜日や時間を変更して社会人や学生さんを対象にした教室運営を担わないといけないとは思いますが、今は仕事優先なもんでよう。私も大先生と約束した手前、最低一人は織り手を育てんといかんし。今はまだ自分が育っている最中なので、これもまただいぶ後の話。

 佐賀錦振興協議会さんは年に一度のみ織り手志願者を募集されるため、練習に参加できる期間が限られますけど、鹿島錦保存会の場合は随時入会できますので、失業中に失業保険を受けながらということも可能。紗綾の会も、佐賀新聞主催のカルチャースクールで井手先生が教えていらっしゃるはずですので、こちらも参加は随時可能だと思います。基礎織を乗り越えれば、多分時々教室に通うだけで織れるようになるはず。今はまだ時間をうまく配分してとしか書けませんが、門戸は常に開いておりますので、ご興味がおありでしたら、祐徳博物館に問い合わせをお願いいたします。基礎織の間は道具もタダで貸し出し、材料代も無料やでえ。

※誤解のないように再度補足。基礎織の二枚目までは10割の和紙。三枚目からは30割のアルミ金になります。