一番の違いは傾きかなあ。鹿島錦の台は傾斜が結構ついています。目視ではっきり差異が判るくらいだから、佐賀錦の台の比ではない。その関係で起し板の加工の仕方も全然違う。まあ私が持っている佐賀錦用の台がどちらで作成されたものかは存じませんので、地域差があるかどうかは不明です。前後を間違えるとパッタンパッタン倒れて織りづらいのは鹿島錦の起し板の特徴かも。無言で織っている途中に結構な音を立てて「ぱたーん」とやらかすと、すかさず「よか目覚まし」とツッコミが入るのも鹿島錦保存会のお約束。そういえば最近は聴かなくなったかも。
ちなみに、佐賀錦振興協議会さんなんかは「こんなもん要らねえ( ゚Д゚)」とばかりに、起し板を使わず織られるケースが多いみたい。村岡屋さんの協力を得て、銘菓さが錦を商品に、旧福田家主催正座したまま窓の外めがけて起し板放り投げ選手権でも開催なさったんでしょうか。投げたはいいけどどれが誰の起し板かわからなくなって結局使わなくなった――そんなトリビアがあるかどうかは不明。形状からしてブーメランみたいに戻ってはこんのよ。本当悲しみのズンドコ。かなうなら、技法や細かい材料・道具の変遷の歴史も一度調べてみたいかも。
他の目立った相違点は、引っ張り紙の固定方法。遥か昔は大工さんが使っていたカルコを使うのが主流だった佐賀錦、かなり前から木製の歯止めへと進化しています。鹿島錦保存会の場合はねじ釘。したがって差し込む孔も釘サイズ。見た目がアレなので、私は頭の部分にラインストーンを貼って使っています。昔のカルコ止めの台を現在も使ってらっしゃる方は、円形に穴を開けたアルミ板などを使って補強されたりするらしい。
綜絖に関しても、糸綜絖以外に東京の毛利器とか複数あります。毛利器は今でも使われているのかな。
※鹿島錦の台に関しては、小・中・大を入手済。鹿島錦の小台は27.5cmまで織れますが、佐賀錦的には中台らしい。もっと小さな台があるんですよ。あれ欲しいー。旅先に持っていきたいー。