ここはどこ?

 タワシはどれ?――とまあ、どんな言葉をどう選べばよいかすらおぼつかないほど思考が鈍って仕方がないですけれど、鹿島市の文化祭、本日無事終了いたしました。疲れた。

 昨日も今日も実演担当だったんですが、昨日織りすぎて帰宅後頭がくらくらしましたから、今日は控えめに頑張った次第。行きしなに浜三角のセブンでA先生に頼まれた紙パックの牛乳とサンドイッチを調達し、会場入りしたのが9時30分過ぎ。係のOさんが先に見えていたので、挨拶をして、展示品の数を確認もせんとひたすら撮影。なんせ昨日カメラを忘れていたもんでよう。スマホで撮ってもいいんですけど、私のスマホは一万円ちょっとの高齢者向けシンプルスマホなもので、カメラ機能はおまけ程度なんだわ。まあおぐらさんくらいなら普通に撮れるとはいえ、正直画質は昔のコンデジレベル。最近のハイエンド機種とは比べ物になりません。それで充分日常の用が足りている私って何と思わないこともない。

 撮影後は織り台に向かって乱れ始めた銀の経紙をしばらく眺め、なんかもう織りたくねえという気持ちをぐっとこらえ、ちまちまと拾って糸を通して押さえてとやっておりました。でもね、今日はですね、自分で編んだセーターを着て行ったんですけど、「鹿島錦すごいですねえ」と声を掛けてくださった方が五人くらいなのに対し、「セーターいいですねえ」の方が鹿島錦の会員含め十人以上だったんですよ。

 どないなん。

 でも午前中にA先生のお知り合いのEさんと一緒にいらしたちのっぷすさんのお召しになっていたトルコ綿のカーディガンの素晴らしさに比べたら、私のセーターなど、本当月とすっぽんでございました。もともとストレッチ編みの先生が編まれたものなのに、7,000円という破格のお値段。さすが講師認定された方よのうと感嘆しつつ、不審者レベルでじっくり袖も背中も脇の処理も観察したはいいものの、編む順序がさっぱりわからない。ところどころわかる部分はあるにしても、全体の進行がわからなきゃ編めないしようということで、要研究なのです。ちのっぷすさんからは、糸島で定期開催されているストレッチ編みの教室の案内状を、お菓子&長崎くんちのポストカードと一緒に頂きましたので、人生が一段落したら勉強に行きたいなあ。

 Eさんが同級生のA先生と歓談されている間、ちのっぷすさんとお茶を頂きに和室に赴くと、なんとそこでは撮影中。途中眼鏡を忘れたことに気付いて取りに戻ったりもしつつ、ドキをムネムネさせて待った後、案内されるがまま中にお邪魔すると、y-chiさんがお茶をたててくださいました。親戚が長年お茶をやっていた関係で、小学生の頃に作法を教わったはずなのですが、表か裏かもわからぬまま、それらの知識は忘却の彼方。嗚呼、泡をいっぱい茶碗に残してしまったと反省しつつ鹿島錦の展示に戻り、ちのっぷすさんご一行が帰路につかれた後は、昨日の約束を果たさんと、S先生の作品を拝見に3Fの美術展に。鹿島美術人協会の展示はてっきり生活工房だと思っていたら、ローテーションになっているんですかね、今年は奥の研修室の方でした。とりあえず書道の方にご挨拶がてら見学し、流麗な書に感嘆していたら、想定外にもセーターを褒められたりもして。適当に編んでいるだけなのにと気恥ずかしく感じつつも、「これでもくらえ!!」と言わんばかりに鹿島錦の宣伝。早速「観に行きます」っておっしゃってくださったので、良かった。

 書道は2グループが出品されているようで、1グループの方には町内のWさん、別グループの方に、今回鹿島錦の方には未出品のOさんと、栄町のMさんご夫妻。あいにく書の良し悪しはさっぱりで、すごいなあとしか感想の書きようがないのが辛い。

 以前人権研修だの雇用管理研修だのを受講した研修室には、過去私が展示にお邪魔した時はいつもご不在でいらしたS先生が今回はいらしたので、先日に続いてご挨拶。最近は150号のキャンバスにお描きだそうだよ。展示してあった40号くらいある絵でも「こりゃエスキース」と平然とおっしゃってて、驚いたわけですよ、私は。後期高齢者になりたてほやほやの現在、悠々自適に創作活動に専念していらっしゃる模様。うらやましい。ちなみに現在佐賀の支援学級で美術教師をやっている同期のK君は、仕事以外では絵を全く描いていないらしいよ。あかんやつ、それ。中学の時の担任のS田先生は時々発表されているのだとか。金子先生の絵も展示してありましたし、下村先生の象さんも相変わらず可愛いかったです。

 S先生からポストカードやバンドネオンの演奏会のチラシをいただいて錦の方に戻って、ちょこちょこ実演をした後は、A先生と食事。今回はきちんとスリッパに履き替えたでー。いろいろと大先生との裏話などを拝聴出来て楽しかったです。今先生の過去の作品を県や市や祐徳博物館に寄贈するという話が水面下で進んでいるみたいです。それに関する話もいろいろうかがいました。

 マダム会員最高齢(多分)とメンズ会員最高齢(確実)の二人でしたたか世間話をした後展示会場に向かうと、椅子のところに何やら見慣れたシルエット。織りの体験のところにもお一人座っていらして、体験されている方がいるーと嬉々として近づいてみたら、びっくり、鹿島市会議員のM田君とT子さんでした。二人とも同級生同士で結ばれたというのは風の噂――嘘。近所のおばちゃん経由――で知っていたのですけど、どうもピンと来なかった私は、「なんで(二人で)結婚したん?」などとぶしつけ丸出しの質問をしてしまいました。ひどい質問だよなあと自分でも思います。ごめん、言葉を選ぶより好奇心の方が勝ったんやわ。まあ、はぐらかされた回答に、人生いろいろあるんだなあという印象を受けたわけですよ。私もこれまでの人生ありすぎるほどいろいろあったので、詳しくは訊かんよ。訊きたいけど。

 ちょうど同じ時間に絶賛休会中のH先生もいらして、話をしていたら3FのS先生のご近所さんなんだそうな。なんかその空間だけ鹿島錦の故郷である鹿島高校を切り取ったような雰囲気になりました。

 そんなこんなで、昨日に比べて来場者は少なかったですけど、私的には妙に濃密。知恵熱出そう。昔織っていらしたという方もちらほらいらして、中には、なんと大先生と同期の方も。当然参加された年齢がお若かったんでしょうけど、鹿島錦保存会の前身、鹿島錦教室における伝説のまな板時代(註・板機の頃)をご存じの方が「頑張ってねー」と励ましてくださって、恐縮しきりでした。

 長いようで短かった文化祭は、16:00には即座に幕引き。時刻が変わった瞬間にエイブル中で片付け開始。自分の分は小物ばかりなので適当に箱に放り込んで、立つ鳥跡を濁さずよのうと、壁の下げ額などを取り外す中、ちょっとした事件が起きました。ありうべからざることですよ。べからざる祭りですよ。テープでパネルに直貼りしてあったIさんの織布、上の端の和紙の部分を「びりっ」て破いてしもたんよ、わし(´;ω;`) ひー。怖くて怖くて「もう触らん」ということで、その場を離れて、御当人に謝罪し、後は一切お任せいたしました。

 昨日と今日でしたたか織ったのと、私が花菱を織るといつもそうなるのですけど、ちょっと経紙が乱れ放題に乱れてきたので、いったん平織りを入れて、別の簡単な模様を織ることにします。もともと保険証入れを作りたくて織り始めた今の織り、サイズ的に作れるかなあ。まあ、幅はさほど乱れていないので、経紙が乱れるのは、多分押さえ方の問題でしょうね。緯糸同士の干渉をうまく扱えない。まだ何かしらコツがあるはず。ただ、今の銀は出来るだけ早く終わらせたいから、糸を掛けようかな。成人式の記念品の材料の受け取り以外では今年は教室には行けないため、その間に織りあげて次の経紙を立てるのも手。連続した花菱は拾うのも面倒だし、綺麗に織るのも難しい。名刺入れサイズならともかく、今のわしの手には負えん。次は木目込み用の鹿子にします。

 製作体験に挑戦してくださった皆様はじめ、ご来場くださいました皆様、M田君とT子さんご夫妻やちのっぷすさん、Eさん、S先生、まことにありがとうございました。次回12月の鹿島特産品まつり、それから春の作品展もよろしくお願い申し上げます。

※反省会の時は、H先生の差し入れのシュークリーム、本当は昨日別のお菓子を頂戴した私はいただいてはいけなかったんですが、父の同級生のKさんからもろたよ。