去年何着も編んだベストやセーターのおかげで例年にないぬくぬく晩秋ライフを楽しむことが出来ております。セーターに関しては、手法がそこそこ安定した四着目以外は、雑過ぎて着て外に出る勇気など皆無。でも家の中ならべらんめえということで見逃してほしい。技術云々ではなく根気の点で「良く編めるね」と驚かれたりしますけど、なんせ合太から極太の糸のみを使用、かつ、ストレッチ編みの初歩的な編地であるピケ編みだけで編んでいるだけですので、正直鹿島錦を全段自分で拾って織るのに比べれば、どうってことないです。
鹿島錦に関しては、私よりはるかに手芸関連に造詣が深く、しかも時間にも余裕があると思しき人が巧く織れずに挫折したり、蹉跌に苦しみ立ち直れずに放棄したりするのを見てきたからこそ言えるのですが、好きでなければ続けられないのと同時に、好きなだけでも続かないんよねえ。確か井手美弥子先生が以前何かの媒体で「誰でも織れるものではない」とおっしゃっていたと記憶していますが、素直に賛意を表明します。結構人を選ぶ織物なのは間違いない。だいたい教室が近くにないと学ぶことすらおぼつかない。資料に首っ引きになりながらいろんなことを独習するのが大好きな私ですら、多分鹿島錦に関しては手引書だけでは織れなかったはず。それに加えて、多分ね、誰かのために作りたいとか、何かをとにかく作りたいという具体的な目標、あるいは美麗な錦を自分でも織りたいという心底からの渇望が必要になるみたいなんだわ。そういうのがないとすぐ辞めちゃうんだこれが。
私を挟んで前後に始めた数人は、同期のOさん以外は皆それぞれの事情で退会済で悲しみのズンドコですが、幸いなことに数年前から急激に定着率が上がっているのが、嬉しい限り。何がきっかけなんだろうと不思議でなりませんが、もう私はその定着組の方たちから、とうの昔に技術面でも作品のレベルでも追い越されておりますので、任せる気満々ですよ。真剣に浮遊霊系幽霊会員になりたいと願う日々が続きます。
待望のメンズ会員も二人入会してくれたし――ただし一人は休会中&二人とも仕事で忙しいらしい。暇を持て余すよりはよきかな――私も編物ばかりに現を抜かすわけにもいかんですな。
Oさんと二人で、Aさんから木目込みのひな人形の作り方を教わるFさんを尊敬の眼で見ていた頃が懐かしい。「いつ頃こんな風に織れるようになるとやろー」と嘆息しきりでしたが、八年目に入ってもいまだに織れないって、どんな罠なんだか。
※昨日からとにかく肩と背中が凝ってしおしおのぱー。ごくごく軽いとはいえ吐き気が続いてどうしようもないので、明日は一日イス軸とストレッチと自律訓練法にいそしみます。メインはイス軸法。これまでたまにしかやっていなかったので、続けてやってコツをつかみたい。
※基礎織の時から周りの人がどう織っているのかをつぶさに観察して回る人はたいがい辞めないというのが、経験則から言える鹿島錦あるあるの筆頭。