今織っている網代卍の糸は、多分水色鼠。糸見本では84番かな。ちなみに鼠色のバリエーションは江戸時代に一気に増えたそうな。前にも何度か書いたはず。四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねず)といって、華美な色合いの着物を禁止するというお触れを幕府が出した時に、町民や商人が反発して、「いえこれ全部質素な色の筆頭である茶色と鼠色の仲間ですう」と、バリエーションを増やしまくったという話、個人的に大好き。お目こぼしがあったのは、取り締まるお上の側にも、情なり上役への反発なり、あるいは袖の下なりがあったからでしょう。
それにしてもときがら茶ずるくない? あんさんは茶色を名乗っちゃいけねえと難癖付けたくなるくらいにはずるい。