いや、その生地で洋服作りんさい

 Twitterからの改称からこちら、ようやく耳に慣れつつある――心を許したわけではない――「X」で、相変わらずの議論勃発。なんか着物が売れなくなっていろんな織り手さんが廃業しているらしいんだけど、商売とはそもそも無縁の、本来特権階級のための織物である鹿島錦を細々と織っている人間にすればですよ、「和服の生地だからって着物しか作れないと思わんとき」と言いたいわけよ。とりあえずドレス作りましょう、ドレス。呉服店が成り立たなくなりつつあるのはまた別の話だし、商売のことはとんとわからないので、私に言及する権利も資格もないにしても、織りに関しては一言釘を刺しておきたい。とある地方の伝統的な木綿の織物、製品としてはめったに売れなかったのに、反物自体を売るようにしたら飛ぶように売れるようになったという話も聞いたことがあるし、品質が良ければ布として売れるわけですよ、きっと。一反だなんだと言わなくても、洋裁用に切り売りしてもいいではないの。

 我らが鹿島錦(佐賀錦)や引き箔を使った西陣織のように、和紙を使っているがゆえに潰しが効かない布地もあるとはいえ、他の布なら相当売れると思うんだけどなあ。

 鹿島錦の「最初から商売っ気とは無縁」というスタンスも、あるいは強みなのかもしれない。そもそもそれで生活する気は皆無ですから、皆。家事や仕事の合間に集中してちまちま織るのが正しい鹿島錦の織り方です。そら脈々と受け継げるわな。巧拙や生産量を抜きにした単純な織り手の数だけなら、他の織物とは比べ物にならないくらい多いです。だから何って言われるかもしれないけれど。佐賀錦まで広げれば、県下だけで何百人かいるはずだから。