二度寝は有効だそうな

 いつも以上にマニアックなことを書きます。悪しからず。

 中学生――いわゆる厨二病――の頃に、人類学者のカルロス・カスタネダとその師匠であるシャーマン、ドン・ファンについて紹介した本を読み、その不可思議さに魅了されて、夢を自分の好きなようにコントロールするテクニックの練習をひたすら行いました。当時ベーシックな手法とされていたのは「夢の中で自分の手の平を見ると、その瞬間に夢を見ていると自覚する」という条件付け。何をやらせても三日坊主だった当時の私にしては珍しく、しつこく一ヵ月ほど自分に言い聞かせ続けながら眠りについた甲斐あって、夢の中で自分の手の平を見ることに成功し、初めての明晰夢を無事体験。あれは衝撃でしたね。入眠時幻覚と同様、夢を見ている=目を閉じているのが自分でもわかるのに、はっきり物が見えるという感覚が、とにかく新鮮でした。

 それ以降、三十代前半くらいまでは、特に意識や訓練をせずとも、月に数回明晰夢を見られたのに、最近は加齢のためかとんとご無沙汰。見られたとしても、二ヵ月から半年に一回、それも偶発的という体たらく。仕事柄、コロナ対策もまだまだ続きそうですし、ストレス解消のためにも、久しぶりに夢の世界で遊びたいなあと思い立ち、鹿島図書館で明晰夢の本を予約した次第です。明日受け取りに行くでよ。

 明晰夢体験者として言えるのは、ネットに散乱している幽体離脱という解釈は非科学的に過ぎるかなあという点。私見ですが、徹頭徹尾脳内体験説を支持したい。脳ってとにかく不可思議な器官ですからね。脳の内側だけで、人はどれだけ興味深い体験が出来るのかと考えを巡らせると楽しい限り。もっとも私の場合、明晰夢の世界に入ったとしても、空を飛んで遊ぶだけで、創造的な活用は一切してこなかったんですけどね。今後以前のレベルまで頻度を上げられたら、夢の中で面白い図案や配色を求めてさまようことをするでしょう。蛇足ながら「夢見の民」とも言われる、マレーシアのセノイ族の話とかは心底興味深い

※セノイ族の詳細を知るきっかけになったのは、京都にいたころに買って読んだこの本のおかげ。絶版になったと思っていたら、改題されて文庫化されたんですね。軽妙洒脱で面白い文章だったと記憶しています。

斎藤栄さんの本も面白そう。図書館の本を返却したらkindle版を買って読んでみます。