矯正完了

 もしかしたらヘアアイロンなんかがあればもっと早く出来るんだろうか。でも持っていないし。買うと高いんでしょうね。値段すらわからず。でもまあ、これだけ癖が取れればそのまま綾織も出来そう。今回はしませんが。ただ、時間がかかるのと面倒くさいのがなんとも。新しいのを買った方が早い。これはソフト金なので、包みボタンの裏側なんかの目立たない場所に使う予定&拾ってまでは織りません。

「ここまで癖が付いたらもう織れんもんねー」と大先生がおっしゃっていたもの以上にくしゃくしゃだった経紙を再生できたのは素直にうれしい。ちょっとだけ鹿島錦保存会に貢献出来たかもしれない。「癖の付いた経紙は、一度台に張って、裏側をおしぼりで優しく濡らしながら起こし板で10cm前後を目安にピンと張って乾かす」で整えられます。以上。

 まあ、経紙の癖の強制に関しては及第点ということでいいんですが、作業の途中で気づいたことがありまして。うすうす感づいてはいましたけど、引っ張り紙の右半分の張力が左半分と比べて格段に弱いですね。まったく偉糸を入れていない状態で慎重に巻いていっても、奥の方の引っ張り紙の右側が、2mmから3mmほど斜めに上がってしまう。何度試しても同じ。触っても何かたわんでいるんですよ。これは大変。経紙のくせどころの話ではありません。

 これまで織ってきて確信したのですけど、今の私には小台のサイズ感がしっくりくるんですよ。オカリナでSCをメインに選んだのと多分同じ理由。軽さは正義。重いもん持ちたくねえ。再度中台を棚上げにして、癖を取った経紙でどれだけ織れるか実験した後、小台の引っ張り紙を張り替える作業をしようと計画。小さい台では着色銀のグラデーションを活かせる幅がないのが口惜しいですけど、まあ……今の技術で広く織ってもどうせ縮むし。セルフ痛み分けということで。

 引っ張り紙に関しては、一番最初に巻いたのが、実は東急ハンズで調達した厚手の和紙。アートコーナーにあったから、多分表情を出すために意図的に厚みに差異がつけられていて、それが張力に影響しているのではないかと推察。それプラス私の生来の骨格のゆがみで、かなり織りに影響が出ているみたい。何にせよ引っ張り紙は均質なものの方がよいに決まっていますから、かえって機械漉きの方がいいかも。

 amazonで検索したら、四倍強い障子紙という商品を発見。小台の場合、織れる最大幅が28cm弱のため、美濃判はぴったり。君に決めたぜべいべ。安いし。9.4mですから、かなり長持ちしそう。追記。成分を確認したらポリエステル60%で、木工用ボンドが使えませんでした。そのままでは引っ張り紙には使えません。でんぷん糊で織り台に貼り、経紙を立てる時はポリエチレン対応の強力タイプの両面テープで張り付けて事なきを得た次第。

※中台や佐賀錦台に張った着色銀の経紙もいったん外します。時間が取れるようになってからご降臨願う予定。今はまだ小台一台で精進。

※うっかり心の声が漏れた部分に打消し線を引いております。

※本格的にやるなら、片面だけ通電できる切り替え式のヘアアイロンがいるかもと思って調べてみたところ……高い。