慣れるまでは進まない

 本当は基本的な図案を手が覚えるまで繰り返し織るのがいいのでしょうけど、性格上やってらんねえんだわ。くわえて編物をしたりポップコーンを作ったり犬とじゃれたりしていますので、余計進まない今日この頃。それを恥じないお年頃。二色部分は薄紅と薄萌黄を交互に入れたい。途中糸掛け祭りを開催したため、余計に拾うのに時間がかかっております。すぐ忘れんだわ、手が。もうちょっと拾えばスピードが上がりそうな予感。今日も昨日もそもそも十分前後しか織れていませんけどね。

 どうでもいいけどwordpressにAIへの接続機能が追加されたようで、うざい。文章をAIに編集させろとか表示されるんですが、人が書いた文章特有の表記や文脈の揺らぎが心地よいわけよ、私としては。AIが恐怖のズンドコを正しく使いこなせるようになったら考えてやってもいい。

※AIが考えた「恐怖のズンドコ」。やはりまだまだよのう。

本日は定期受診なり

 イアラ―!!

 ということで、毎度毎度の定期受診の前にちょっくら織ってみよう週間に突入。イアラに関しては気にしない方向で。検索も禁止。えらいことなるよ。真相を知るのはこの世に楳図かずお一人だけなのです、多分。

 さてさて、昨日の時点での織りはこんな感じ。35割だと40割よりは縮みづらくて気が楽。毛利器の毛利氏によると経紙の張力を緯糸の張力が越えた場合に縮み始めるらしい。

 この後挿し色を施しておりますので、基本単色一部二色という構成になります。上側のヘラは先日紹介した煤竹製の分厚い謎ヘラさん。糸掛けの時も助けられましたが、拾う時も助けられております。厚みがあるので、挿すだけで経紙を浮かせるためにヘラを起こすのと同じ状態になるわけですよ。左手フリーで楽に拾えて非常によい感じ。謎とかいってごめんよ。今はとにかく一本は持とう分厚いヘラ運動を展開したくてたまらない。

 ちまちま拾って織っていると、在りし日の大先生を思い出します。お元気な時分は教室の日には必ずいらして、机に手を置いて体重を支えながら教室中を移動して全員の織りを見て声をかけておいででした。コロナ禍前の総会で 強制的に隣に座らされた時 「一年休まず教室に参加したの私だけー」とおっしゃっていたのが懐かしい。出欠状況を克明に記した手作りノートも懐かしい。

ちょっと楽しくなってきた

 平織り並みに強く押さえるのは不本意ながら、緯方向のスカスカ問題が解決して、ちょっとだけ楽しくなってきました。相変わらず剥離が止まらないのですけど、今回の銀は包みボタンや裏地用にすると居直りましたので無問題。一つ気になるのは経方向のスカスカ。これをなくすにはもっと縮めて織らないといけない。でもそうすると今度は多分糸がまた下りなくなって緯のスカスカが目立つはず。どうしたもんだか。多分細糸で織れば問題は解決する気がする。

 悲しいことに、綾に入って7.5cmで3mm弱縮んでいます。65cm織ると単純計算で2.6cmほど。どこかで食い止めねば。市松系ということで、幸か不幸か縮む経過がダイレクトにわかる模様ですので、観察しつつ織っていきます。今回も勉強なり。おそらく159番の薄萌黄であろうグリーン系の糸の部分、ちょうど半分より上が強く押さえはじめたところ。下の半分スカスカなのわかるかな。糸は通っているのに、まるで通っていないように見えます。この部分は使えない。経のスカスカは、包みボタンのシェルの地が銀色なので、多分目立たなくなると思う。

反省点

 古い銀、拾って織る分にはさほどではないんですけど、糸を掛けると、その分負担が増えるからか、どんどん箔が剥離します。どうすんべ。それと、うーん、織れなくはないけど、出てくる模様が単純な分、粗が如実に見えて困惑。縮まないように心を砕いているのも今回は逆効果な気が。ちょっと縮めた方がやや綺麗に見えるかも。表情は面白いので、次に織る時は白漆ベースの糸にに淡い色で織りたい。木目込みには十中八九合わなさそう。これ以上剥離するようなら、ある程度織ったら新しい物に張り替えます。織る分には普通の桝がええ(´Д`)

※どうせ木目込みに使えないなら、色で遊ぼうと思って、パステル系の色糸投入。エンデ先生もびっくり、果てしなく色替えしづらい物語ということで、お手軽な単色ボーダーで。ただし今回はランダムではなく二模様ごとに替えていきます。ふと思ったんですが、鹿子市松って隠し糸必須? そうでもない?

皆糸掛けどうやってんの

 一応基本的な手法は教わりましたが、すでに自己流の方法に記憶が浸食されております。あくまでも私の場合の手順を紹介。まず5mm角のヒノキの棒を、経紙の上下から挟んだ二枚の定規に固定。定規自体は書類用クリップで両端を留めています。ヒノキ棒にうっすら見えている透明な点は、ドットタイプのテープ糊。糸をごくごく軽く仮止めしつつ、洗濯ばさみがすぱこーんと飛んでしまうのを防ぐために使用。

 面倒くさいのが嫌ということで四目から五目ずつ一度に拾う派。棒に糸を渡した後、軽く引いて弛みを取って、洗濯ばさみで止めて次の目を拾ってと言う感じで進めれば、途中で飽きても放置できるので便利。教室で教わった小技です。端まで目を拾って糸を結び終えた後は、1.5cm幅のマステの裏全体に木工用ボンドを塗って、糸を渡した棒の三面に貼り付けます。5mm角の棒ですので、端をぴったり合わせることが出来れば仕上がりが綺麗。見た目も華やかになるのでマステ最強。最初の仮止めに両面テープではなくドット糊を使うのは、糸の間隔や拾い間違いを修正しやすいのと、ドット以外の部分に木工用ボンドが程よく乗って、マステと棒の接着力がより強くなるから。

 これまでは平の目を掛けて、織り出しを織って、その後綾の糸を掛けていましたが、今回は織り出しを織らずに直接平と綾の目を拾ってみました。拾った目には元筮竹の竹ひごを挿して確保。今までで一番効率的かもしれない。

やたらと分厚いヘラ問題その後

 以前の記事で紹介したやたらと分厚いヘラ問題。戦前のもので、煤竹と思しき素材で出来ていて、先端はほどきベラのように丸く、しかも丸い穴が空いているという謎が過ぎるヘラのため、これ何、どう使うんと悩むばかりでしたが、今しがた、おそらく本来の使い方(の一つ)が判明。

 これはあれだ。糸掛け用だ。分厚いおかげで拾わないといけない目ががっつり浮きます。拾いやすさに衝撃。多分浮き綾もいけます。なんなら3-3の綾を拾うのも楽かも。いちいちヘラを左手で手前に起こさなくても、自然に平の目が浮かんでくれる。なるほど、そういうことか。

 もう一つ気づいた点。先端に穴が開いていると紹介していましたが、逆にも地味に開いとる。穴あきのヘラは、短くなった糸を通すのに使ったりしますが、佐賀錦用だから、もしかしたらこよりを通すための穴かな。

 確証はないながら、削らずにそのままにしておいて良かったと痛感。意味があってのことやってんね。

戦前の経紙は結構シビア

 要らないよね? ここ要らないでしょう? 事実上織らないに等しいところだもんね。なら箔は貼らなくていいよね? という当時の職人さんの魂の声が聴こえるよう。若干撚れた部分がありますので気を付けて織らないと。当時は蒸着しての製作はなかったでしょうし。

※基本は綾で下ろして、押さえが甘い部分は平で整える感じで行ってみよう。押さえる強さも弱くして様子見。今回は桝系の図案を、ほんのり挿し色をしつつほとんど単色で織って、縮み方のパターンを確認。

※ストレスマネジメントとして、寝る前のストレッチの後、アイスノン枕+手の中にあずきパックを持って、簡単な瞑想を継続してみます。例年今の時期は窓を開けて寝ると、稲の苗の上を渡る風の冷たさで風邪を引いたりするんですが、今年はちょっと熱気がこもった感じ。さすがの水田パワーも、気候変動の前には形無しか。

よろしおす

 ストアーズクラブで買ったメタルタッセルを、ストラップパーツを貼り合わせて作ったリバーシブルのペンダントヘッドに早速つないでみました。表は沙綾ですが、裏は糸色の違う流水。案外いいかも。意外に大人っぽくない? パーツがすべて本金メッキなら言うことないんですけどね。ちなみにチェーンはSeriaやで。相も変わらず、文化祭と春の作品展に出し終えたら、まとめて母の日送りにいたします。島流しのノリで。とりあえず今んとこ「こがんと要らん」とは言われていないのでいいのではないかと。

 何年か前に祐徳博物館に出したミニ懐中時計の電池交換に成功――ただし三個あるうち二つは開けることすらかなわない――したので、部品を取ったり貼ったりして、ペンダントに仕立て直して、それも出します。コード用として注文したアクアオーラのビーズも届いたけど、えらい安いんですよ。このご時世に。もしかしたら溶錬水晶かもしれない。まあガラスも石英も同じケイ素の仲間だし、綺麗だからいいんですけどね。念のために高かったアクアオーラのビーズとは別にしておきます。混ぜるな危険。

※今夜はキーホルダーのコードを結びます。明日と明後日でペンダント用のコードをマクラメで結んで、週末にカードケースを作って、今年の文化祭の出品作を完成させてから、平織り、あるいは浮き綾の鹿子を出来るだけ手早く織ってから、本金を立てる準備。不安しかねえ。

織り始めました

 矯正経紙その後。「織る」という点についてはまったく問題なく織れています。ただ、幅24.8cmで立てている中、40本分切れているわけですから、なかなか整わない。わざと(ここ大事)縮めながら織っていますけど、かなり捨て織りしないといけないみたい。多分まだ10cm以上織らないと整わないような気がする。どうせ使えない部分なので木綿糸にするかどうか迷いましたが、ACB諫早店で一枚50円だった古い佐賀錦糸で織っています。捨て織りにするなら染み付で充分だから、淡い色も買っておけばよかった。

 なお40本のうち39本は中表に張り付いたものを剥がす過程で切れました&切りました。一本は矯正中に不注意で。三本切れて一本残ってさらに三本切れた部分が難所。逆に縮めずにわざと経紙の隙間を残しても表情が面白いかもしれない。教室に持っていったら十中八九怒られますけど。

 やはり切れるリスクのある貼付き系は処分することにします。

※織り台から外した経紙にも癖が付いていました。巻き取った部分など

 あんたお母さんに内緒でパーマかけたやろ( ゚Д゚)
 天然やで( *´艸`)

――的な昭和の親子の口論を彷彿とさせるくらいにはくるんとカール。

トルコ地震関係の記事。悲しいことですが、この種の善意を利用して金儲けを企む人間もいるので、寄付先には十分にご注意を。

矯正完了

 もしかしたらヘアアイロンなんかがあればもっと早く出来るんだろうか。でも持っていないし。買うと高いんでしょうね。値段すらわからず。でもまあ、これだけ癖が取れればそのまま綾織も出来そう。今回はしませんが。ただ、時間がかかるのと面倒くさいのがなんとも。新しいのを買った方が早い。これはソフト金なので、包みボタンの裏側なんかの目立たない場所に使う予定&拾ってまでは織りません。

「ここまで癖が付いたらもう織れんもんねー」と大先生がおっしゃっていたもの以上にくしゃくしゃだった経紙を再生できたのは素直にうれしい。ちょっとだけ鹿島錦保存会に貢献出来たかもしれない。「癖の付いた経紙は、一度台に張って、裏側をおしぼりで優しく濡らしながら起こし板で10cm前後を目安にピンと張って乾かす」で整えられます。以上。

 まあ、経紙の癖の強制に関しては及第点ということでいいんですが、作業の途中で気づいたことがありまして。うすうす感づいてはいましたけど、引っ張り紙の右半分の張力が左半分と比べて格段に弱いですね。まったく偉糸を入れていない状態で慎重に巻いていっても、奥の方の引っ張り紙の右側が、2mmから3mmほど斜めに上がってしまう。何度試しても同じ。触っても何かたわんでいるんですよ。これは大変。経紙のくせどころの話ではありません。

 これまで織ってきて確信したのですけど、今の私には小台のサイズ感がしっくりくるんですよ。オカリナでSCをメインに選んだのと多分同じ理由。軽さは正義。重いもん持ちたくねえ。再度中台を棚上げにして、癖を取った経紙でどれだけ織れるか実験した後、小台の引っ張り紙を張り替える作業をしようと計画。小さい台では着色銀のグラデーションを活かせる幅がないのが口惜しいですけど、まあ……今の技術で広く織ってもどうせ縮むし。セルフ痛み分けということで。

 引っ張り紙に関しては、一番最初に巻いたのが、実は東急ハンズで調達した厚手の和紙。アートコーナーにあったから、多分表情を出すために意図的に厚みに差異がつけられていて、それが張力に影響しているのではないかと推察。それプラス私の生来の骨格のゆがみで、かなり織りに影響が出ているみたい。何にせよ引っ張り紙は均質なものの方がよいに決まっていますから、かえって機械漉きの方がいいかも。

 amazonで検索したら、四倍強い障子紙という商品を発見。小台の場合、織れる最大幅が28cm弱のため、美濃判はぴったり。君に決めたぜべいべ。安いし。9.4mですから、かなり長持ちしそう。追記。成分を確認したらポリエステル60%で、木工用ボンドが使えませんでした。そのままでは引っ張り紙には使えません。でんぷん糊で織り台に貼り、経紙を立てる時はポリエチレン対応の強力タイプの両面テープで張り付けて事なきを得た次第。

※中台や佐賀錦台に張った着色銀の経紙もいったん外します。時間が取れるようになってからご降臨願う予定。今はまだ小台一台で精進。

※うっかり心の声が漏れた部分に打消し線を引いております。

※本格的にやるなら、片面だけ通電できる切り替え式のヘアアイロンがいるかもと思って調べてみたところ……高い。