もてあそばれるお子

 鹿島錦保存会では、50周年記念作品として鹿島錦の屏風を制作いたしました。念のために調べてみたら、「二曲一双」という数え方をするらしいです。一曲(でいいの?)は鹿島市役所、もう一曲は祐徳稲荷神社に鎮座ましましております。私はまだ入会していなかったため制作への参加はしてはいませんが、入会直後に開催された文化祭で完成品を拝見しています。

 移動が大変なこともあり、寄贈後の屏風が会の作品展で展示されることはなくなりましたけれど、試作品として制作されたプチ屏風は、文化祭や春の作品展で不定期にお披露目されております。ただですね、この試作品、可哀そうなことに、誰も天地を把握していないんですよ。実は制作された職人さんが印をつけてくださっているんですけど、その印が天の印なのか地の印なのかをどなたも確認されていないらしく、展示のたびに「こっち? どっち?」と物議を醸している次第。改めて印をつけてもいるのですが、二年に一回くらいしか展示されないので皆忘れる(◞‸◟)

「飾って」「逆にして」「いやもう一回逆にして」と、何度も振り回された私が、備忘のために、完全なる正解をここに掲げておきます。

 揃えられた三角を上側に設置するのが正解。

 逆だとこうなる。ストンと落ちます。誰か覚えといて。

※祐徳博物館内は写真撮影厳禁です。「鹿島錦保存会の現会員」が「鹿島錦保存会作品展の記録」をする場合に限り、特例として撮影許可が下ります。たまに巫女さんが撮った写真が祐徳稲荷のインスタにアップされたりする模様。もちろんメディアの取材は別やでー。

※昨日書き忘れていましたが、ITOHENさんのピンバッジ、博物館の展示コーナーにも三つサンプルとして置いてありました。一つはタイピンだったかな。数年前博多の東急ハンズで見かけた時にも思いましたけれど、細糸で一段一色&段ごとに色替えして鹿子とか流水とかで模様をこさえた方が映えそうな印象。他の織物は全部平織りですもんね。実際二色以上だと入れづらいとのことでした。素材としての鹿島錦の扱いづらさを考えると、健闘されているのでは。