心は決まった

 稲刈りを終える頃になると、家の中に入り込んでよく粗相をする野ネズミに齧られて49本になった、どこのご家庭にも一揃えはある古ぼけた筮竹を再利用して、糸掛けの準備をしています。家にもあったもんでよう。捨てずに取っておいてよかった。もったいないは世界の言葉。今後もいろんな場面で使っていきますよ。基本長い竹ひごですので割と重宝。十段くらい解いて織り直すときにもヘラ代わりに次々挿せます。その気になれば編物も出来るかもしれない。

 鹿島錦保存会の初代糸掛けマスターの縛りは「必ず色替えをしながら織る」とのことですが、私の場合は「掛ける本数が少ない場合でも、全段は掛けずに必ず拾う段を設ける」にしました。多方面から「普通だそれ」と言われそうですが、誰かの普通は別の誰かにとっては圧倒的な非日常かもしれないわけで。そこのところをはき違えないように。それと、今この瞬間以降、私の前で「拾って織る方がよほど楽しくない?」なんて軽々しく口に出そうもんなら、容赦なく殺虫剤かけますから、そのつもりで。織り手のはしくれとして忸怩たる想いがないわではないですが、どう考えても織るより作る派の私の場合は、布をある程度確保しないと作りたいものが全然作れないんだわ。

 次の本金は色替えしながら織る予定でいるので、今回は全部単色。一部実験的に色替えするかも。

※次の本金用に描いた図案――なんですが、不安要素もあるので、もうちょっといじるかも。

※のっぽさん(´;ω;`)