動画のコメント欄も怖い

 良い子のトラウマ飯降山。上の二人の尼さんが無謀な修行に出たのは、おそらく達成した時に得られるであろう賞賛を期待してのことではないかと推察。ただ一人信仰心から行を求めた年若の尼は、純粋ならばこそすぐにくじけそうになる。欲望というのは、何かを成すための土台にするには十分なほど強固ですしね。しばしば足を引っ張る若い尼を弑すのは、「人が亡くなるほど大変だった」と、修行の過酷さを後に周りに知らしめ、自身の栄誉をより浮き彫りにするためでもあるし、同時に単純に食料をより多く確保するためでもある。とどのつまり上の二人にとっては必要悪。どちらも絶対後悔していない。特に欲深い、最後まで生き延びた婆は、冬の間はおそらく山の生き物を殺して食べていますよ。最悪、人も食っとる。ラストシーンでは山姥化していますしね。多分あの後村人のことも食べているはず――と考えるのは勇み足か。

 私は霊とかお化けとかより、生きている人間の方がよほど怖いんだわ。自身の行為を正当化出来るだけのイデオロギーを掲げることで、どれだけ凶暴にも、どれだけ残酷にもなれるから。

※二番目の尼が一番したたかだなと思うのは、一番上の尼に自分を殺させることで、自分の罪を相殺しようともくろんでいるような描写があるところ。