手作りの伝統的工芸品に高いって言うのやめて

 心の底に押し込んでおいてください、例え脊髄反射でそう感じたとしても。実は先日乙丸寄席の時に着物マダムから「鹿島錦は高いから買えんもんねー」とか言われたんですよ。「あんたら高そうな着物見せびらかしときながら何言うとんの」と思ったけど、わしは口には出さんかったよ。偉い。だいたい錦を一枚織るのに我々がどれだけの手間と時間を掛けているとお思いか。しかも今は金を始め材料の原価も絶賛高騰中。まあ西陣ものの機械織りの品に比べて単純計算した面積当たりの単価が高いのは認めるけれど、鹿島錦は手織り錦の中では安い方ですよ。ローカル価格で販売しているわけだから。

 他の工芸品に関してもそうだよね。螺鈿とか、漆器とか、陶磁器とか、手間のかかる物は当然それなりの値段がする。個々の事情で予算オーバーするのは仕方ないし、スルーされるより手作業の美をご覧いただくだけでもうれしいのも確か。それを踏まえた上で、開けっぴろげに「高いからー」ではなく「恥ずかしながら手元不如意で」と奥ゆかしく表現してほしいわけですよ。

 目指せ青菜。

※その後Xで某バイカーの「佐賀錦のピンブローチ、2250円という値段は分不相応」という投稿を見かけ、着物マダムの方がよほどましかという結論に。

脱銅板計画

 鹿島錦保存会では「お椀」と呼ばれる、七宝資材に錦をはめ込むときに使う銅板問題。もともと七宝では裏引きしてから釉薬を載せて電気炉に放り込むという作業をしますが、鹿島錦の場合は和紙でサイズの調整をしてから錦を貼り付けます。この銅板に関して、品によっては絶対使わない方がいいと主張したいよわしは。

 その品というのは、スマホリングと定規。もうスマホリングは何年も作っていないのであれですが、今度作る定規には出来るだけ銅板は使いたくない。確かサイズが同じ銅板がどこかにあったと思いますけど、使いたくないんよ、わしは。正確には「探したくない」。

 だって定規やで。ペンケースの中で邪魔になりがちな定規やで。絶対薄い方がええやないのということで、試しに使わず作って文化祭に出してみます。

 ちなみに今回出すものはほとんどが旧作。クマ&ミニ手毬の木目込みと、定規二本、ペンダント二つ、マグボトル一つ、ペン立て一つ。定規とペンダントはこれから作る予定。今年こそはきちんとマクラメでコードを作ろう。

モニタ注文中

 PCを触り始めて28年になりますが、本格的にモニタが故障したのは初めてかも。いよいようんともすんとも言わなくなりました。もともと言ってはいませんでしたが、慣用表現ということで見逃してほしい。だいたい基本的にラップトップ派ですからね。モニタの故障自体に遭遇する機会は少ない。ちなみに初PCを購入するまではワープロ派やったで。とりあえず代わりのモニタを注文しましたが、二日経っても届かないでござる。Amazonよりヨドバシが良かったかもしれない。防音室内でYoutubeやPrime Videoがスマホでないと視聴できないのは痛いですが、Echo PopでAmazon Musicはチェックできるので、あらかじめ作成しておいた落語のプレイリストをシャッフル再生して作業をいたしております。昨日は雲助師匠の死神と先代圓楽師匠のお化け長屋でした。それにしても、本寸法のお化け長屋を聴くたびに思うのですが、後半蛇足じゃないですか? 登場人物の性格の齟齬がすごい。「昼間は強がっていた」では到底処理できないよ、あの溝は。

 ところで、昨日の教室の話。私はてっきり記念品のボールペンは、社会福祉協議会に直接納品するのだとばかり思っておりましたけれど、鹿島駅構内の観光協会の販売所を通して納品するということで、期せずして販売用の品を作る羽目になってしまいました。値札買ったよ値札。初値札。鹿島錦のシールを使い切ったので、また博物館に買いに行かないといけない。成人式用の物には貼らなくていいならいいんですけどね。とにかく、何をどう包装すればいいのかさっぱり手順がわかっていないプレーン&ナチュラルな状態で10時前くらいに教室に出向いたら、 す で に 全 員 提 出 済 み で最後のチェックをされていてびびった。慌てふためいていたら落語部長とIさんとIさんが手伝ってくださったよ。よかった、間に合って。皆さんお手数をおかけいたしました。駅担当のOさんからは「下の名前何て読むとー」と訊かれたりもしましたね、そういえば。使う漢字自体はありふれていますが、難読系の名前なので、実は誰一人として初対面で正しく読んでくれた人はおりません。同じ読み方をする人も、五十二年生きてきて、今まで一人しか見つけたことがない。誰かというと、吉本芸人からYoutuberになったあの人ですよ、あの人。

 途中、担当グループの一員ということもあり、SAKURASの展示の入れ替えにも参りましたが、それこそもうプチ文化祭という感じ。何がって、額の角度や高さがよう。なかなか定まらないもんでよう。経験則から、設置する側のもどかしい気持ちが手に取るようにわかる私は、温かく見守りましたよ、SAKURASスタッフの若人たちの尽力を。なお、11/1~3の予定で開催される文化祭の時は、SAKURASとエイブルをつなぐ連絡通路もある程度は解放されるはずですので、おそらく行き来はしやすいはず。是非あっち行ったりこっち行ったりして楽しまれてください。

 11/1~11/3の文化祭に関しては、例年通りエイブル2Fでの開催とあいなります。最終日は16:00まで。毎日先着10名様(ここ大事)まで、無料で(ここもっと大事)鹿島錦のストラップ作り体験をしていただけます。もちろん持って帰れるよ。3Fは書道や鹿島美術人協会の作品が展示されます。人間国宝のSON鈴田先生の鍋島更紗や、ネットのおもちゃで第一回乙丸寄席の主催をされたS光先生の作品もあるでよー。

※望月君はさながら赤い彗星。猫見知りで穏やかな性格とはいえすっかり大人のおぐらさんが、まだまだ仔猫の望月君に「シャー!!」されてすごすごす引き下がるのを見るのは悲しい。お願い仲良くして。

第一回乙丸寄席

 防音室で使っていたPCモニタが壊れて更新どころではありませんでしたが、昨日第一回乙丸寄席で三三師匠の落語を堪能してまいりました。正面駐車場はやはり遠方の方のために開けとかなきゃと、ちょっと離れたところに停めて歩いて出かけたにもかかわらず一番乗りで会場に着き、しばし愛らしい子ども神輿を眺めた後、会場の吉田祐彦記念館内に。玄関明けたら二秒で鍋島緞通。でも誰も気づいていませんでした。俺じゃなきゃ見逃しちゃうねの精神で撮影。見切れているのはスマホのカメラの設定を常にスクエアにしているせいです。

 開場まで一時間以上あり持て余していたところに私の高校次第の恩師であり、一時期ネットのおもちゃと化した主催のS先生登場。「二階のギャラリーば見に来んかい」と声を掛けてくださったので、ほぼ同時刻に着いた着物姿のマダムとともに階段を上がって見学。途中洗面台のところで、顔を洗っていらしたのか、私服の三三師匠とニアミスしましたが、恐れ多いのでお声掛けはせずにそのままスルー。階上は鹿島美術人協会+αの展示空間になっていて、S先生の作品も当然展示してあったんですが、でーすーがー、 い つ も と 違 う 作 風 にびっくり。普通の風景画やないの。どないしはったん。私が学生の頃は病んでる先(アンデルセンのもじり)と言われていたのに。そういえば象さんのドアップでお馴染みの下村先生のも風景画でしたね。象さんカモン。圧倒的象さん不足の私の心に象さんからしか得られない栄養を供給してほしかった。他には金子剛先生や、人間国宝で鍋島更紗作家のSON鈴田先生の作品も。そういえば玄関近くに置いてあったパンフのところに、金子先生の以前の展示の図録があって、無料配布されてましたえ。もろたよ、当然。

 ギャラリー内では、S先生が簡単に展示してある作品の制作者について、お二人の着物マダムに説明をされたんですが、その紹介の中になぜか私まで含まれて「彼は私の教え子で、今鹿島錦を織りよるとですよ」とふられ、あわてふためいたりもして。案の定マダムに「鹿島錦はどんな織り? 鹿島錦と佐賀錦はどう違うんですか」と訊かれたので、土曜日に新調したばかりの消毒スプレーを見せながら、「鹿島錦は佐賀錦の元になった織物で、こちらが本家です」とかいつまんで説明した次第。たまたま一緒にいらしたS先生の同級生の方が鹿島錦にもお詳しかったようで、大隈重信が改称したと言われている説に関して補足説明をしてくださいました。助かった。経緯に関して説明できなくはないけど、面倒くさいもんでよう。

 ギャラリーは退出してから開場まではひとしきり鍋島緞通をガン見しながら過ごし、時間になると同時に会場入り。

 能楽堂に入るのは初めてでしたが、なかなかええ空間やないの。ちなみに三三師匠、昨日は博多の能楽堂で高座にあがられたそうな。二日続けて能楽堂というのは珍しいらしい。

 会場には落語が初めてという方もいらしたので、いろいろと落語に関するガイダンスから始められ、いくつかの小噺を経て、一本目の演目は「真田小僧」。こまっしゃくれた金坊が父親を翻弄する噺です。「雛鍔(ひなつば)」と同系ですが、甚五郎噺に「ねずみ」や「竹の水仙」「三井の大黒」なんかがあるように、他にもあるのかなあ。

 ひとしきり会場を沸かせた後で開催された抽選会は、残念ながら外れてしまいました。当選した方おめでとう。呪いの言葉ははかないよ、わしは。

 仲入り後の二本目は、残暑が続いているということもあり、青菜。わしもまさか10月に青菜を聴く機会があるとは思わなんだ。ほぼ同じ時期にエイブルで開催された落語会では、市馬師匠が「掛け取り」、今年度の文化功労章を受章されたさん喬師匠が「芝浜」でしたから。

 嬉しいことに、スタッフの皆さんはおそろいのシャツをお召しになっていたので、やはり今後も続く模様です。今度文化祭の時にS先生に「入船亭や雲助一門も」とリクエストしてみよう。叶うといいな叶うかなの精神で。お願いすれば、噺家の皆さんに差し上げる鹿島錦の記念品を作らせてもららえるかもしれない。まあ事前に会や祐徳神社の許可がいるにしても、空想するだけなら罪はないということで。

※文化祭と言えば、以前鹿島錦を織られていたお茶の先生もいらしていました。音楽室の隣の和室で椅子席のお茶会が開かれるので、皆で行くよろし。あけぼの寄席で主賓席にいらした方(大学の先生?)のお姿も発見。

※次回は4/19の左龍師匠の会だよ(・ω・)ノ

※三三師匠の兄弟子の一琴師匠の真田小僧。デブサミット観たい。

コットン糸と毛糸で引き揃え編みその後

 編み方は相変わらずピケ編み一辺倒です。だって一番早いんだもの。引き揃えて編むことにより毛糸が節約できるため、多分仕上がりもこれまでのオーバーサイズのセーターより軽くなはず。編み進むのも早くなるので、頑張れば一週間くらいで雑なセーターなら作れそう。綺麗な編地に憧れた時期もありましたが、さすがに仕事の傍ら錦を織り、さらに編物というのは、ハードルが高すぎる。少なくともあと数年はピケ編みだけで編み続けます。

 今日は三段くらいしか織っていません。織りキャンセル界隈に陥らなかっただけましかと。

モニタ様が天寿を全うされたかと思いきや

 画面を点けっぱなしでお風呂に入って防音室内に戻ると、モニタの様子がおかしい。電源を数回切ってもモニタ上に謎の線がたくさん走るだけでいっこうにログイン画面が表示されない。すわ買い替えかと戦々恐々としましたが、しばらく電源を切って放置したら無事回復。何やったん、一体。静電気? 静電気なの?

 あなおそろしや。

四代目お披露目準備

 三代目がいい加減くたびれてきたので、消毒液ボトルを作り直しているところです。どんなに汚れても痛んでも、苦労して織った錦は棄てられない。専用の箱に入れて余生を過ごしてもらいます。時々取り出して眺める所存。

 静電気対策の導電組紐と一緒に首から下げるために、明日はマクラメDAY。ついでにお守りペンダントも結び直そうかな。ちなみに明後日は落語DAYだよ。

※一文陰謀論者に揶揄されそうですが、基礎疾患持ちなので見逃してほしい。風邪すら引きたくないんよ。

※コットン糸とシルク混ウールを引き揃えて編むセーターに挑戦開始。糸の表情が面白い。

カトちゃんPAYを実現しろ!!

 維新嫌いの私ですが、もしさらに嫌いな自民党に対して「全企業の電子決済システムと互換性を持たせた国主導の新システムとして、加藤茶をイメージキャラクターにしたカトちゃんPAYの構築を実現する」って突きつけたら、わしは無条件にその点だけ応援するがな。私がどれだけカトちゃんPAYの実現を心待ちにしているか、これまで何度もいろんなところで訴えてきたのに、全然実現しやがらないから、業を煮やしまくりですよ。

 支払うたびに「ぺっ」て鳴ってほしいっぺ。

T一族は滅びました。ただし町内に限る

 懸案だった祖母実家の姓は、知らない間に消滅しておりました。最後の一人がすでに改姓しちゃってたよ。しおしおのぱー。

 誰も引き継ぐ予定はないのが現状ですが、まだ名古屋に親戚がいるのでそちらの増殖を期待。

※O家から親戚のT家存続のために曾祖父が養子入り→O家断絶という経緯を経ているので、まあむべなるかなという気もする。