父の話

 うちの父は酒もたばこもギャンブルも一切やらないタイプ。偏食の野菜嫌いで、歯も悪くなりつつあるせいか、普段からお菓子ばかりを食べております。TRIALでまとめ買いしたものをこっそり隠してむさぼるのが趣味。うどん県ハーフだからか無類の麺好き。素麺とインスタントラーメン以外の料理は出来ません。包丁がまったく扱えないかというとそういうわけでもなくて、果物や野菜の皮むきに関してはなぜか私や母より数段上手。ただし得意なのは皮むきだけで、イチョウ切りや乱切りなどは一般的な四歳児にも劣ります。物忘れも激しくなりつつありますが、買ってきた物を隠している場所はきちんと記憶しているらしく、私が副反応でろくすっぽ動けない時に「何か……何か食べ物を……」と催促すると、すぐに消費期限ぎりぎりのメロンパンをくれます。ちなみに喜寿です。

 鹿島錦保存会のある方と同級生なのですが、学生時代は名うての暴れん坊だったらしいので、当時と今では相当イメージ違う模様。

 私が酔っ払いに対して戸惑う以外の対処が出来ないのは、父が下戸で身近に酒飲みがいなかったからかも。友人達もまったく飲まないんですよね。だから酔漢に免疫がない。父方も母方も伯父達は飲むのですが、酔っぱらった姿は合わせて数えるほどしか見たことがなくて、「あれがこうなるのか」とドン引きするしかなかった。祖父母世代と一緒に暮らさなかった人が、高齢者相手に距離感を測りかねるのと同じ構造なんでしょう。

 蛇足ですが、自分が飲まないので、酒を飲んでの失敗にはとことん厳しいですよ。「飲んだことまで含めて自分の責任論」をもろ手を挙げて支持。

 腕の痛み以外は復調できたので、織りを再開。今年中に終わらせられればいいんですけど。