帙(ちつ)っていうらしいよ

 大切にしている本があります――とおおっぴらに書けるほどには大切にはしていないのが実情ながら、四冊組のとある本を所持しています。貴重と言えば貴重かなあ。大正時代の出版物で、昭和から平成初期には、コピーですら200万から300万で取り引きされていたという代物ですが、二十年ほど前に2万円弱で買える復刻版が出て、一昨年だったか、私が買ったときにはすでに5,000円に値崩れしていました。値崩れしまくった今ならともかく、平成初期購入組の人は、最初から国会図書館に複写依頼を出した方がよほど経済的だったんですけどね。

 少部数発行のその手持ちの本は、いかんせん経年劣化で外側のカバーがよれよれなので、鹿島錦でいずれは作り直したいところ。調べてみたら帙(ちつ)というらしいです。検索して出てきた簡易帙という響きに興味津々。特に簡易の部分が輝いて見えます。複雑なものは無理なもんでよう。

 昨年の春の作品展で展示された、祐徳稲荷神社所蔵の鹿島錦図案集乾&坤の帙は、果たして誰の織りなんだろう。やはり大先生?