百聞は一見に如かず攻撃

 もももんはひとみにごとかずということで、相も変わらずストラップを四つ提出することになりました。久しぶりに鹿島錦教室に顔を出したもんでよう。今回はイレギュラーながらタクシー会社に納品するらしいよ。鹿島のタクシー会社というと、母方の伯父も昔運ちゃんとして登録して働いていたところなので、さしもの私も本気を出しましょうぞ。

 なんでも、お客さんに「鹿島錦ってどんなのですか?」と訊かれた時の説明に、運転手の皆さんが、たいそう苦慮されているとのこと。まあ、どの程度興味があるか値踏みできない相手に、どれくらい説明すればいいのかなんて、織り手の私たちでも迷いますもんね。軽い気持ちで問いを投げた人に「鹿島藩の数え方では第九代、佐賀藩の数え方では第七代となる藩主夫人の柏丘の方が病臥中にふと目を留めた天井の網代組に着想を得て、藩医で側使えをしていた並木多仲に命じて観世撚りを使った小物を作らせ――」なんて延々やっても仕方ないし、真剣に調べている人に「織物です」で済ませるのは申し訳ないし。そういうわけで、説明しやすいように現物をタクシーの中に飾っておくということらしいです。

 改めて、ただしかいつまんで説明すると、鹿島錦は緯錦(よこにしき or ぬきにしき)の一種で、緯糸として三子撚りの絹糸を用い、経糸の代わりに、和紙に金属箔を貼ったり蒸着させたもの、あるいは漆塗り、もしくは紙のみの、西陣織では緯方向に用いられる引箔を、一寸が35~50本になるように裁断して使い、平織り・綾織・模様織、派生として生まれた浮綾織を組み合わせて丹念に織りあげる、佐賀県の伝統的地場産品に指定された織物です。広義の伝統工芸品という紹介をされることもありますが、経産省の指定する狭義の伝統工芸品としての指定は受けていません。だって未申請だもの。みつを。

 こんな感じ。

※今日の参加者は少なめ。皆仕事があるからねえ。さもありなん。風のように現れて風のようにお帰りのy-chiさんは腱鞘炎だそうで、織らずに新しい引っ張り紙とひたすら格闘。昨年会員になられたKさんも祝基礎織三枚目突入。Iさんは相変わらず有能。木曜日の初心者教室、コロナ禍前は毎週開催でしたが、今は都合がつかずに参加者一名の時もあるとかで、もうしばらくはこのまま隔週開催が続きそう。私はもう初心者としては薹が立ちかけておりますので別に月一でもいいんですが、問題は基礎織の人がなかなか先に進めないことだったり。