日本発見 伝統工芸 風土に生きる民衆芸術のこころ

 古書価格20円で購入。送料の方が高かった。伝統工芸好きの私としては到着を待つ間もワクテカすることしきり。全国の伝統工芸を網羅してあるが、佐賀錦が含まれていることからもわかるとおり、経済産業省が指定する「伝統工芸」に限らず、通称、または俗称としての伝統工芸品も含まれている。

 気になる点は「鹿島錦」と「佐賀錦」を一緒くたにして紹介している点。祐徳博物館に関しても「佐賀錦は――」と記されていて、鹿島錦の織り手としては釈然としない。

 ところで、佐賀錦と鹿島錦が共同で伝統工芸指定の申請をすれば、問題なく通ると思うんですけどね。なんでしないんだろう。

経済産業大臣は、「伝統的工芸品」として、以下の5つの要件に該当する工芸品を指定します。

  1. 主として日常生活の用に供されるものであること。
  2. その製造過程の主要部分が手工業的であること。
  3. 伝統的な技術又は技法により製造されるものであること。
  4. 伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること。
  5. 一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること。
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/nichiyo-densan/densan/designation.html より

 西陣織や博多織の佐賀錦だとクリアできない項目があるので、多分却下されると思われ。東京の手織り佐賀錦なら……まあ……ねえ。