やたらと分厚いヘラ問題その後

 以前の記事で紹介したやたらと分厚いヘラ問題。戦前のもので、煤竹と思しき素材で出来ていて、先端はほどきベラのように丸く、しかも丸い穴が空いているという謎が過ぎるヘラのため、これ何、どう使うんと悩むばかりでしたが、今しがた、おそらく本来の使い方(の一つ)が判明。

 これはあれだ。糸掛け用だ。分厚いおかげで拾わないといけない目ががっつり浮きます。拾いやすさに衝撃。多分浮き綾もいけます。なんなら3-3の綾を拾うのも楽かも。いちいちヘラを左手で手前に起こさなくても、自然に平の目が浮かんでくれる。なるほど、そういうことか。

 もう一つ気づいた点。先端に穴が開いていると紹介していましたが、逆にも地味に開いとる。穴あきのヘラは、短くなった糸を通すのに使ったりしますが、佐賀錦用だから、もしかしたらこよりを通すための穴かな。

 確証はないながら、削らずにそのままにしておいて良かったと痛感。意味があってのことやってんね。

銀線細工かっけー

 銀線細工とは、いわゆる「フィリグリー」のこと。Yahooニュースの記事をGoogleさんがピックアップしてサジェストしてくれたので、早速、こちとら仕事中で忙しいのにまったくようとぼやきながらも読んでみました。

存続の危機だった秋田銀線細工「おばあちゃんのアクセサリーだった」伝統的工芸品を絶やさない「TOUROU」の挑戦

 もともと日本で銀線細工を作っていたのは、長崎の平戸。平戸藩の江戸屋敷が秋田久保田藩の屋敷と近く、秋田弁と平戸弁で仲良しこよしのきゃっきゃうふふだった関係で、細工の技法がはるばる東北まで伝わったという話を聞いたことがあります。フィリグリー自体はヨーロッパや東南アジアなど、いろんな国で制作されていますが、久保田藩には日本最大規模だった院内銀山などもあり(今調べた)、銀の産出量が豊富だったそうですので、そういう部分での利もあったのかな。平戸銀線細工は悲しいことに完全に廃れてしまいましたけれど、秋田の方は脈々と伝えられ、発展を遂げ、今でも健在。平戸で続いていれば、鹿島錦と気軽にコラボできたかもしれないのに、残念。

 我らが鹿島錦が明治期には全国的には佐賀錦として認知されるようになったのにも似て、もともと平戸細工と呼ばれていた日本の銀線細工も、今でははるか昔からそうであったかのように、何の疑問もなく秋田銀線細工と呼ばれるようになりました。鹿島錦は残っているので無くなったわけではないにしても、その経緯にはいろいろと考えさせられます。とりあえず鹿島錦保存会は会員を増やさんとね。

※一度は制作体験に挑戦してみたい銀線細工。でも昔のように、鹿島錦と組み合わせるために自分でも作れるようになりたいとはもはや思いません。錦だけでも手一杯。金糸と絹糸のマクラメでええわ、わしは。何より制作時に頻繁にバーナーを使いますからね。豚の角煮を作っていてキッチンごと燃やしかけた私がバーナーなど手にしたら、ははははすべて燃え尽きてしまえと、多分家全体を消し炭にしてしまうこと請け合い。下手したら隣家まで巻き込む。やはり危険な作業を伴う工芸品の製作は、慎重で丁寧な人がやるべきでしょう。鹿島錦は火を使わんからいいよ。そういえば基礎織の時、むせてコーヒーをぶちまけたりもしたっけ。織り台に正面から向かっている時は飲み物禁止ということで。

三つくらい織れればいいのよー

 鹿島錦の悪魔に速攻で魂を売り渡したかのように半世紀以上一心不乱に織り続けられた大先生、意外にも「しばらく織ったら得意な図案とそうでない図案がわかるから、自分の得意な図案を二つ三つくらい織っていけばいいのよー」とおっしゃってたなんてここだけの話。すかさずA先生が「いや出来るだけ全部織れるごとならんば……」と ツッコミ 訂正されていたなあと、懐かしさを覚えてみたり。やはり皆それぞれ好きな図案や得意な図案があるようで、青海波が好きな方、桝が好きな方、花菱が好きな方、いろいろです。ただねえ、今織り始めて七年目ですけど、これまで誰一人として織っているところを見たことがない図案というのがいくつか存在するんですよ。下手な私はともかく、上手な人も織らないという気の毒な図案。ランク付けするなら、多分これから私が織ろうと考えている鹿子市松がその筆頭になると思います。

 糸を掛けるにしても、桝ベースの割に12本掛けないといけないし、拾うにしても面白みがない上、色替えもしにくく、織った後の見栄えも紗綾型などの足元にも及ばないというのが、多分その理由。この間有能会員Iさんが試し織りをされていたけど、それくらいです。作品として仕立てられたのも、三十周年記念だったかな、当時の会員が総出で織って乾坤の二冊でまとめられた伝統図案集くらいしか知りません。伝統図案の中では、偶数目が結構入って拾いづらいことこの上ない七宝を織る人も滅多にいませんけど、落語部長のMさん始め数人の作品を拝見したことがあるので、鹿子市松は特別に味噌っ子扱い。

 何でそんな図案を織りたいかと、単純に見た目が可愛いから。とにかく可愛いんやで、鹿子市松。誰が織ってもファンシーになるという呪いのかかった模様です。この場合のファンシーに英語本来の意味は含まれておりませんので念のため。本来のfancyって、形容詞として使う場合は、豪華な装飾が施されたもの、日本でいうなら日光東照宮みたいな感じなんだってよ。

 クマ二体分の布を確保できるまで生成り一色で織って、その後はパステルカラーで遊びます。その後スーツ部分を織りなおし。

女だから運転が下手なんですぅ

 という言い方で「送迎変わって」とか言われると無性に腹が立つお年頃。行けと言われれば行きもしましょうが、一言反論させてほしい。運転が下手なのは女だからじゃない。単に個人の得手不得手の問題。もしくは経験不足。これが「私は運転が苦手だから」なら感情が波打つことなど何一つないのに、不思議なもんよのう。主語を大きくすることで人生における自分の瑕疵を正当化したがる人っているよね、どこにでも。

 これまで何度も書いていますが、八年ほど前かな、とある助成金がらみのパーティーに嫌々出席した時に、同じテーブルに座った佐賀市議員が「男は病院に行きたくないんですよ。病名を告げられるのが怖いから」と言い放ちやがったんですよ。それに同意を求められたけど「えぇ( ゚Д゚)」としか返せんかったわ。多分相手は「ええ(´・ω・`)」という感じで首肯したと解釈していると思う。

 あれから私もそこそこ人としての経験を積みましたので、今ならやんわり否定するかなあ。男だから病院に行きたくないんじゃない。単にあなたが行きたがらないだけ、と。だいたい、どんなに行きたくなくても、持病で病院にお百度通いしないといけない人間の前でそれを言っちゃあ、人としておしめえよ。

 あとさー、女だから男より一歩下がって歩けなんていう人は、そもそもが絶滅危惧種だとは思いますが、万が一いたとしたときのために予防線を張っておきます。御存じの通り地球って丸いんよ。自分より一歩後ろにいる人は、見方を変えれば地球を一周した40,000km先を歩いているとも言えるわけ。「わしは40,000kmも遅れて歩いていたのか。一体どうすれば追いつけるんじゃ」と猛省推奨。「男は台所に立っちゃいけない」とか言うやつはまだまだいますね。言葉に重みを与えるために、キッチンエリアはお尻歩きで移動しましょう。それが有言実行というもの。結構痩せるらしいよ。

ヒモトレの公式スピンドルを注文してみた

 やはり100均の紐だと物足りぬようということで、公式のスピンドルを注文。良くなれ姿勢。お高い紐に汗スメルをまとわせたくはないため、踏み台昇降の時は使わないか、安い紐で済ませます。

 お腹にゆるく巻いた時に、最前まで重いなあと感じながら持っていたテーブルを軽々持てた瞬間の驚きは、生涯忘れんでよ。

 原理はさっぱりわからないながら、織る時の肩から背中にかけてのこりが楽になればもっと効率的に取り組めるかも。他人に体を触られるのはすこぶる嫌なので、整体とかは行かない派。

栄一を求めて

 何度やってもATMからは諭吉しか出て来なくて悲しみのズンドコ。もう新札発行から一週間ですよ。いまだに一枚も拝んどらんわ。栄一(´;ω;`)ブワッ

 嬉野医療センターの駐車場で確認した限りでは、Youtubeの半七捕り物帳の朗読に関しては、4倍速だと黙読より遅く、5倍速だと時々ついていけませんでした。私の手持ちの電子書籍の場合、通常の書籍版では欠落した部分も補ってあるらしく、その部分が朗読に含まれていなかったりするんですよ。それもあって、数行分音がすっ飛んで、どこを読んでいるのかわからなくなる。まず完全に聴き取りに合わせた黙読が可能となる4倍より若干早い、4.5倍程度で様子見します。以前Audibleに登録していた時に、当時のシステムであるコインで永年購入してダウンロードしていた朗読音声の中から、宮沢賢治全集と山本周五郎の長編時代小説さぶ、それから与謝野晶子訳源氏物語を倍速変換して音声データを作り、電子書籍を読みながら速聴に取り組むことに。芥川龍之介は音だけ早くして耳を慣らす用。かかってこいカンダタ。待ってろ杜子春。芥川に関しては、持っている電子書籍に収録されている作品のすべてが網羅されているわけではないので、スキップ作業が面倒くさいわけ。宮沢賢治の方はメインの童話だけを抜き出した作品集があったので、それに合わせて音声ファイルの方のタグを編集すれば解決。他に速読アプリもインストールしていますから、そちらで時々読書スピードの確認などします。

 昔買った音声ファイルの速度変換ソフトを使えば、手持ちの音源であればわ0.7倍から+0.1倍刻みで12倍速まで速度変換可能。もちろん2倍にして保存したファイルをさらに12倍にして24倍速にしたりなども出来ますが、そすがにそのスピードだと一切聴き取れず。せめて10倍速くらいのスピードで黙読できるようになれれば御の字。継続しないとすぐ読書スピードが低下するらしいですから、これも運動やストレッチと同じで長く続ける所存。

 これから踏み台昇降をして、入浴後、糸掛け用に鹿子市松の目を拾います。さくらほりくきりのしおりの材料も届いたらしいので、次回の教室の日に消耗品の買い出しついでにエイブルに寄る予定。お金はすぐに払っとかないとね。

 

デジタルデトックスしていました

 数日希死念慮がすごかったので、プチデジタルデトックス。まあ早い話がスマホを放置していたわけですよ。普段関わる人ほとんどとPCや対面でやりとりしている関係で、何の不都合もなかった。固定電話もありますし。

 編物効果もあり、だいぶ精神的にも落ち着いたということで、今朝スマホを手にして通知を確認したら、おー、ここだけの話本当の正体はエスピオナージの鹿島錦保存会(嘘)にいつもいち早く情報を伝えてくださるエージェントKさんからのお知らせが。なんでも今夏SAGAMADOで鹿島フェアなるものが開催されるそうな。今年はまだフリー担当の人たちが出ずっぱりになる日はなかったはずですけど、いよいよか、いよいよなのか。センチメンタルなジャーニーになりそう。もっとも実演が必要かどうか定かではないです。相応の期間があるようですし、もし誰かが出ないといけないとなったら、全会員で交代制になるかもしれない。おチラシさんに書かれた以上の詳細はわからんちん。

 東津商店さんのラテといちごさんバウムで茶しばきたいお年頃。

※今日はこれから受診の送迎で医療センターにいってきます。午後から自分の眼科受診。35割銀用の図案は、どうせ糸を掛けるということで、鹿子市松にしました。木目込みに合う模様なのかは不明。

ウリ坊( ゚Д゚)

 今日は山手の方に行ってみようかいと、ノミ・ダニ予防の薬用リキッドを「スキあり!!」と背中に一文字に垂らしたりなどしながら、犬達と散歩。えっちらおっちら坂を登って、ちょうどうちの果樹園のあたりまで来た時に、少し離れた場所から「ヴォン」という鳴き声が致しまして。すわ別の犬、それも大型犬でもいたかと思って慌てて声のした方を見たら、道を挟んだ向こう側のミカン畑にトテトテ走るウリ坊が一匹。子育て中のイノシシは怖いということで、母イノシシが出てくる前に一目散に逃げだした次第。

 イノシシを見るのは人生二度目。ウリ坊だけなら可愛いにしても、あまり遭遇はしたくない。

※うちの犬達は散歩中の気もそぞろの時にこっそりやらないと、薬用リキッドを背中に垂らさせてはくれんのよ。「お菓子? 何? お菓子くれるの?」とすぐに邪魔してくる。

※おぐらさん用のノミ予防首輪も買ってこなければ。明日の宿題。

マクラメ再開

 この間マスク紐を作りなおしたくらいで、長いこと取り組んでいないマクラメ。鹿島錦の包みボタンと金糸と貴和製作所の貴和クリスタル/クリスタルヴィトラルライト(覚えられん)を組み合わせて文化祭前に何か作りたいようということで、再開することに。とりあえずフェリシモさんにミシンとマクラメのキットを追加注文するんだわ。

 かぎ針編みは、きほんのきのところで止まっています。何ならきの字の一画目。何しろ時間が確保できない。でもテキストと材料の整理はしているので、いつでも再開できます。

全文検索対象外の資料があるなんて……

 電話と書類待ちの間にちょちょいとデジコレさんで検索をしたんですが、全文検索対象外の資料だと、検索結果にそのまま表示されないんですね。ログインすれば利用可の「日本の伝統工芸11(https://dl.ndl.go.jp/pid/12424373)」P80~P82、コマでは43~44に佐賀錦に関する説明がありました。1984年の本なので、鹿島錦保存会への言及も。

 まだまだいろいろ発掘できそうな予感。

※さすがになかった。