ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

 実は今朝起きた瞬間「うわもう月曜日」という勘違いをしたのですけど、それがこいつのせい。先日Primeビデオに追加された「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」。この駄作のせい。駄作は言い過ぎかな。でも全然面白くなかったんだわ。皆大好きスピルバーグのジュラシック・パークから始まる映画版ジュラシックシリーズの完結編なのですけど、今回は巨大イナゴまで出してきたもんだから、かえって興ざめ。私が最初にジュラシック・パークを観たのは、二十歳前後の頃。当時はYoutubeなんて気の利いたサービスは存在していなくて、古生物系の動画を漁る機会などなかったため、その流れで恐竜だけが出るのであれば気にならなかった酸素濃度不足という問題を如実に突きつけられてしまってげんなり。シリーズ初の試みとして、巨大イナゴを早い段階で出してきたせいで、もう何を見ても「いや、今の地球は当時よりはるかに酸素濃度が低いから、この体で生存するのはそもそも無理」と、要らん知識が頭がよぎるんですよ。どうしてくれよう。これでシリーズ全作品ニュートラルな気持ちでは観られなくなってしまった。

 そもそもバイオシン社がなぜ巨大イナゴを復活させたのか、その経緯も釈然としない。わかりやすすぎて陰謀というより陽謀。状況証拠だけでCEOを追求できそうなくらいに関係性がバレバレなのに「バイオシン社とイナゴをつなげる物的証拠がー」は脚本の整合性を考えてもおかしいし、さらには露見を防ぐための処分の方法が、屋内での焼却。何それ。キャンベル・スコット演じるルイス・ドジスンなんて、陰謀を企てる側のCEOのくせに切れが悪くて、最後の最後まで側近の背任行為に気付かない。そんなことが果たしてありえるのか。後、一作目からほぼ黒幕の要らんことしいウー博士も、最後はしれっと主人公グループに仲間入り。この人こそ情報だけを残して自身は恐竜に食われないと、話が消化不良になるはず。

 サム・ニールとローラ・ダーン、それからなんのかんのでシリーズに延々出ているジェフ・ゴールドブラムの三人が揃って出演しているのは嬉しいけど、そこまでするなら子役だったアリアナ・リチャーズくらい呼んでほしかった。

 総じて何が嫌かって、無駄に尺が長すぎて観終えた時にはすでに夜中の2時近くになっていたことですよ。濃密さとは縁のないスカスカの時間を無駄に過ごして、それが一番腹が立つ。

※奇面組の「三畳紀 ジュラ紀 白亜紀 八代亜紀」がいまだに記憶にこびりついている。