モモ

 ミヒャエル・エンデの作品を読むのはン十年ぶり。あれはそう、まだ中学生で昼休みは図書室で過ごすのが日課だった頃、当時の図書フレから「エンデのはてしない物語が入ったけん一番に借りたばい」と教えられ、「ぐぬぬぬぬ」と歯ぎしりしながら、「はよ読んで返して」と催促したりなんてこともありました。ちょうどネバーエンディング・ストーリーが劇場公開された時分。ちなみにその時読んだのと同じ本を、露店の古書即売でゲットしたで。

 児童文学だし、そこまで極端に長いわけでもないので、一気に読めばいいのにと我ながら思わないこともないのですが、なにぶんにも眠くなっちまってよう。ちまちまちまちま時間をかけて読んだ次第。でも、かえってその方が時間泥棒と対峙する不思議ちゃん系少女モモの世界観を踏襲できて、よかったかもしれない。

「タイパ」とか平然と口に出しちゃう忙しい人ほど読まなきゃダメな話。あ、でも解説メインの動画の倍速再生は効率的ですよね。通常再生だとだるいし。そうやって確保した時間をどうやって使うかが重要ということで。

※数年前の大先生のありがたいお言葉を思い出しつつ。「鹿島錦は速く織るのがいいんじゃないのー。丁寧に織るのがいいのー」。

※他人から言われるだけでも相当恥ずかしい「インフルエンサー」を自称してしまう恥知らずな連中を、容赦なく人体実験の被験者にしてしまうような小説を読みたいと心の底から思う今日この頃。ちょっと前までは、自称するとやたらと恥ずかしい肩書のトップは、ぶっちきりで「マルチタレント」でしたっけ。何一つ満足に成しえない人たちが、大上段から自分語りをする時に使いがち。