大正琴もすごかった

 大正琴の師範をされていた元鹿島錦保存会会員のYさん、お元気ですか。錦を織り始めたばかりの頃、悩める子羊としてめーめー鳴いている私を、ずいぶんと励ましてくださいました。今更ながらお礼を申し上げます。

 それはそうと、ろくすっぽ弾けないのに民俗系楽器をはしごしてきたこれまでの人生に、一筋の光明を見いだすきっかけとなった動画がこちら。

 実は以前SUZUKIの自作大正琴キットを買ったことがあって、どうも処理が巧く行かずに途中で放置したままだったりするのですが、途中といっても「わしが大正琴の大正琴たる所以じゃ」のキーの部分を装着していないだけなので、見た感じは四角いマウンテン(アパラチアンとも)ダルシマーなのですね。なおWikipediaによると、大正琴は、八雲琴とも呼ばれ宗教儀式に使われたりする二弦琴に、フレットとタイプライターのキーを加えたものらしいですが、マウンテンダルシマーはそこからキーを外したみたいな感じの楽器。減の数も調律の方法も違うとはいえ、ともに初心者フレンドリーな楽器として、民俗楽器界隈では有名。しかも奥深い。

 何が書きたいかって、「あ、これはもしかして私の需要をほぼ過不足なく満たしてくれる楽器なんじゃないか」ということに気づかされたということ。

・専用ケースがあって軽くて持ち運びカンタン
・弦の数が少なく調律しやすい(時間をかけてン十本の弦を調律とかやってらんねえ)
・音域がそこそこある
・壊れてもすぐ買い替えられる。オークションでもあぶれがち

 何より細長いその形状から、鹿島錦を貼ってリメイクするのも簡単そう。キーを外してフレット奏法一辺倒にし、残響が苦手な金属弦からアコースティックギター用のナイロン弦に張り替え、その上で弦の数を減らして弾きやすくし、かつ調律をダルシマー風にすれば、いろいろ楽しめそうではないですか。

 しかもうちに何個かあんだわ、すでに。使わずじまいのヴィオリラも含め。とどのつまり弦以外買わずに済む。

 ライアー類は、沖縄で作られた見目麗しい「てるる」さんと、キンダーハープの一種であるリトルミンストレルと二つ持っていますが、とにかく調律が面倒でよう。いずれも将来の暇つぶし用にとっておいて、とりあえずなんちゃってダルシマー(あるいは逸脱大正琴)を始めようかな。