ハンドウォーマー完成

 正月から使い始める予定のハンドウォーマー、三人分完成しました。一番左から母用、父用、私用。相も変わらずまっすぐ編んで、親指用の穴を残して綴じただけ。編物初心者の独学50メンズが四苦八苦しながら作ったわけだから、いろいろ大目に見てほしい。

 明日コンディショナーで処理して、ふんわりしてくれるかどうか試してみます。なんせごわごわなもんでよう。ロットが違ったせいで若干私用のブルー系のやつがほんのりグラデーション風になっているのもなんともはや。地域猫のおぐらさんといい勝負かも。

 1月4日は大先生の命日ですので、勝手ですが鹿島錦と真摯に向き合う日といたします。ちょうど当日は受診が入っているので、午後は休んで鹿島錦。大先生との約束は忘れとらんでよ。編物は心地よく織るための方便。

いつか中細毛糸を入手するその日まで

 編み機さんをお片付け。埃防止にバスタオルを掛けただけですけど。今この令和という時代に機械編が好きな人って、時間がなかったり、きっちりかったりしたものを作るのが心地よかったり、ガジェット好きだったり、懐かしさゆえだったり、逆に真新しいと感じたり、使い慣れすぎてそれ以外の手法は考えられなかったりと、いろいろなんでしょうけれど、私の場合は中細糸を入手するまではお預けとします。

 この間ロングスヌードを編んだ時に「なんで中細糸なんて買ったんだろう。しかも色違いを一玉ずつ」なんて思いながら取り組んでいましたが、編み終えてしばらくして、知らない間に虫食い穴が出来ていたベストを見て思い出しました。

 ダーニング用に買ったんだわ。

またもマダムの話し相手に

 編物コーナーを物色するたびに毎回話しかけられるなんて、編物好きの人たちって普段どんだけフラストレーションが溜まっているんですか( ゚Д゚)

 今日は今年最後の受診のために、鹿島錦の創案者の一人並木多仲の同僚の下河辺氏の(多分)末裔の眼科に。いつもは大繁盛しているのに、師走だからか人が少なく、あっという間に検査と診察ともに終了。眼底検査が目薬を差して瞳孔を開かずに機械で出来るから楽。

 受診の後ダイソーに行って編物グッズを見繕っていたら、編物好きのおばちゃんに話しかけられました。しかーし、内容が高度過ぎて、まだ編物の世界では首が座り始めたばかりの私ではうまく返答できず。無念。

 ただね、これだけは書かせて。「男性の方が器用だからねー」はいかがなものかと。性差よりまずは個人差なんだわ。私より`機械に詳しい女性はざらにいるのと同じ理屈。

※昔大先生から「あがーんふとか手でよーこがーんこまか器具に入れきぃしゃっねー」と言われたことを思い出した。

※鈎針編みだと型崩れしにくかったりするんでせうか。

フィードバックは大切

 子どもの頃バイオフィードバック装置が欲しくってよう。親にねだっても買ってもらえずじまい(当たり前)の心の空隙をうずめるために、大人になってからわくわくしてα波グッズを買いあさりましたけれど、結局どれもゴミに出す羽目に。基本インチキ or 誇大広告だったんだわ。純朴な私は徹頭徹尾信じていたのに。いまとなっては懐かしい想い出です。一連の機器が本物なら少女コマンドーIZUMIにもなれたかもしれないのに。なお私が好きだったのは二度とお目には書かれないであろう禁マリとスケバン刑事でした。あとヤヌスの鏡。

 これまでやってきたことの中で一番心が落ち着くのは、やはり呼吸法かも。自律訓練はすぐ寝てしまうので比較不可。メトロノームの音に合わせてゆったりとしたリズミカルな呼吸を続けていると、穏やかな気持ちになれます。電子メトロノームの音なら、今ならアプリで無料で入手できますし、わけのわからん精神世界グッズを買うくらいならメトロノームのアプリをダウンロードすべし。

 もっとも、問題点がないわけではなく、メトロノームの音は単調過ぎるせいか、なかなか長続きしないのが難点。それでも時々思い出した時にやっておりましたが、昨日ふと思いついて編物をしている時に呼吸法を試してみたら、70分以上ぶっ続けで、編物と呼吸法両方に集中することが出来ました。奇蹟やで、わしにとっては。ほんまもんの奇跡やで。ベストの呪いもふっとぶで。

 鹿島錦で試した時は、作業の手順が複雑すぎて一度で懲りましたが、まっすぐピケ編は単純で意識しなくても出来るからいいのかも。集中力を培って、鹿島錦その他にもフィードバックしたいところ。

今日もマダムがアプローチ

 嘘。単に話しかけられただけです。大掃除の準備のためのSeriaに買い物に行き、案の定誘惑に駆られて毛糸を購入。毛糸。嗚呼毛糸。

 掃除道具と毛糸を買い物かごに入れてレジ待ちをしていたところ、後ろに並んでいらした上品なおばさまから「何を編まれるの?」と興味津々で声を掛けられたというのが実際の流れ。「ええ、ちょっとした呪いのベストを」と返答できようはずもなく、当たり障りのない会話をしたわけですが、やはり編物界隈もミセス率やマダム率が高そう。鹿島錦と同じで。

 相変わらずのオーロラウールは、色違いで数十玉溜まっています。とりあえずユニット化したいんですけど、もうちょっと計画的にやりたいところ。

 先日試しに買って今日追加分を買ったひつじくんスタイルは、46目で編むと迷彩柄になるので、自分用として片手分四玉を肘上までカバーできるアームウォーマーにします。親用は色違いで片手3玉分でよろしかろう。ごわごわした感じがするので、とじはぎまでし終えたら水洗いしてコンディショナーで処理してみます。

 雑ですけど、プレミアルウールシルクの試し編み。断染めは色が活きるようなサイズで編まないといけませんが、単色は好きなサイズで編めるということで、20段15目でとりあえず編んでみました。右がピケ編み、左が昇龍。時間がある時に基礎編み四種も作っておかないと。今のところ糸の在庫が一番多いのがプレミアムウールシルクなので、まずこれから片づけます。

 呪いのベストは、思いのほか心地よい着心地です。見た目は技術次第なので、徐々にステップアップしていけばいいさね。

佐賀を中心に佐賀錦の帯が生産され

 てはいませんよ、念のため。ネットで時々見られる佐賀錦の説明がことごとく間違っている件に関しては織り手一同ご立腹。

 嘘。正しく書けば私一人がご立腹。

 販売用の帯を手織りで織る人は、佐賀どころか全国的に皆無に等しいという事実をまず直視すべし。織り手はあらかた高齢女性ですけれど、少なくとも私はそんな体力があり余ったミセスを存じ上げません。現状「佐賀錦」あるいは「鹿島錦」として売られている帯は、名前と技法を流用して織られている西陣織と博多織が100%を占めます。もともと佐賀錦の材料は西陣から来ていますので、日本の玩具マシンロボがアメリカでトランスフォーマーになって、日本で再アニメ化されるようなものかも。それぞれ鹿島錦より古い歴史がある帯の産地ですから、当然織りはきちんとしていますし、完成度も素晴らしいとは思いますけど、本物の佐賀錦や鹿島錦の持つ、素朴でありながらもどこかしら厳かな雰囲気とは全然違う。

 おそらく相当着物好きな人でも、厳密な意味での本物の佐賀錦や鹿島錦に触れたことがある人は、ほとんどいないはず。勘違いしている人てんこ盛りです。だいたいが自分で織ってこそ意味と意義を持つ織物なのに。葉隠れファミリーの大名家で生まれた分、武家の矜持とは無縁ではいられないわけですよ。言わば織る葉隠れ。なお葉隠れは一度も読んだことがないなんて内緒。

 私のように年がら年中エアコンを稼働して音楽や落語を聴きながら織ることすら、本当は邪道。住環境や織りに取り組む真剣さという点では、一番伝統を色濃く受け継いでいるのは、もしかしたら暑かろうと寒かろうとじっと耐えて根気よく織られている、麓刑務所の受刑者の皆さんかも。

※以前読んだ本によると、祐徳神社で鹿島錦織り方を教えられていた旧藩主夫人は、平織りの服を召されていたとか。

※偉そうなことを大上段から書きながら、織るのをそこそこに編物をする。そんな人生もよろしかろう。

かんざしパーツがよろしかろう

 手編みのニットに鹿島錦を組み合わせるとしたらどんな方法がいいだろうと思案。多分かんざしパーツを使った簡易ブローチ的なものが無難じゃないかなあ。編み目を縫うようにして縦に挿して。平織りを折り紙にして作る蝶が好きで時々こさえるのですけど、パーツに花菱をあしらった包みボタンを取り付け、そのボタンに蝶がとまっているような感じで飾れば幸せになれそう。ボタンホールを作らずにショールを留めたりも出来るかも。

 問題はね、花菱を織った布がねえんだわ。なんなら折り紙が取れる平織りもなし。万事休す。

※鹿島錦の包みボタンを使ったヘアゴム、シンプルな無地のスカーフに使ったら絶対映えると思う。

※かぎ針でモチーフが編めるようになれば、ブローチを着けるところに、補強を兼ねて、雪の結晶や花や幾何学図形を縫い付けてもいいかもしれない。はよ来いフェリシモ「はじめてさんのきほんのき」。

空恐ろしくなるほど

 支離滅裂な文章の記事を投稿しておりましたね。しかもそのまま一日以上放置。実は昨日今年最後の遠出をしておりまして、編集どころではなかったんだわ。

 そういうわけで、微修正して人心地。

 編み機の件ですが、手編みした時の感触が何かいやで放置していた純毛糸を使ってみたところ、編み機さんの方でもイヤンだったことが判明。拒絶されて編み地が汚いのなんの。指定の棒針号数でダイヤルを調整したんですけど、先のプレミアムウールシルクさんより仕上がりが格段に汚くて断念。

 がーがー言わせて編むのは楽しいのに、編み地は楽しくないという矛盾。考えてみたら、編み機が流行った時代は、百貨店で買いましたと宣言せんばかりの機械生産の品がもてはやされて、手編みは、時間がありあまっている人や金銭的に余裕がない人がするものと見下されがちだったはず。私の周囲では手編み=レース編みが流行っていたかな。編み機は、メリヤスの平編みならダントツに早いので、生活に追われている人でも隙間時間に取り組めて、かつ既製品のような綺麗に揃った編み目の物が出来上がり、高いセーターを店で定期的に買うことを考えると、糸を解いて何度でも編み直せるという利点もあるし、大枚はたいて編み機を買っても後で元が取れるだろうという算段で、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで買われた方も多かったのではと推測。

 いずれも表層の部分にしか触れていないとはいえ、編み機には編み機の面白さや素晴らしさがあるし、手編みには手編みのよさが同様にあるのは肉質的に理解できます。これはもう、どちらに軍配をあげるかは、結局は個人の感性ということになるわけですが、今は機械で編んだものより、気仙沼ニッティングのような丁寧な手作りのものがオンリーワンともてはやされる時代。斯界の趨勢もすっかり変わってしまって、技術の発展にともないより能率的に稼働できるようにった工場の製品の方が、安定した品質のものが大量生産出来るおかげで、昔に比べると破格に安いという構図が出来上がっているため、編み手が編み機に要求するものも、往時とはかなり変化しているはず。かつて編んだ方が安いと飛びついた人たちは、多分買った方が安いの側に鞍替えしていますよね、おそらく。時間とお金の節約にもなるし。

 編み機文化が廃れるのは寂しいし、残してほしいとは思いますが、私が編物に求めているのはまず第一に心地よいモフモフ感であり、決して目の整然さではないため、しばし編み機さんとはお別れ。これまで割いていた時間を鹿島錦に回さねば。「これは編み機で作りたい」と心の底から思えるものに出会える日までさようなら。可能性があるとしたら、ニットのブレザーとかコートかなあ。こさえられるようになるまでどんだけ練習しないといけないんだって話ですけど。スーツはそもそも冠婚葬祭以外では着ない人間です。いまだにネクタイの締め方も知らん。ワンタッチネクタイ様々。

 気持ちだけなら編み機フォーエバー。

※目が落ちずに編めている時間は本当楽しいんですよ。心の底から。瞑想的で。でも編み地が楽しくないんよ。モフモフにならないので。

※呪いのベストは今日中に仕上がる予定。デザインがミセス御用達なのと、適当に選んだSeriaの糸で編んだユニットを雑につなげているため、着たまま外には出かけられないという強固な呪いがかかっていますし、目にした人はたとえ写真越しであっても末代まで祟られ、どれだけ練習してもオリンピックのフルマラソンで金メダルを獲ることは出来なくなりますので、皆さんの将来を案じてやまない私としては、今回は非公開ということにいたしたく存じます。まずは獲ってほしい。皆さんに金メダルを。総じて、色を合わせて丁寧にとじはぎをすれば、人前でも普通に着られそうな印象。そもそも他人の服の細部なんて観察しないよね。視覚情報で処理するのは、まずは色とおおまかなデザイン。なお念願かなってもふもふ感は抜群です。わしゃ羊かと叫びたくなるほどには。何かね、毛布を着ているような感じ。きちんと作るなら、脇の部分の止め編みや肩回りの伸び止めなどを施さないといけないでしょうが、そのあたりはど素人50メンズにも別に難しい作業ではないので、いけるかなあ。

※高校の頃、祖母が寒さ対策にと編んでくれたベストを学生服の下から着ていましたが、体育の時間に着替えている時に近くの席の同級生から「なんでそがんと着とるとw」とバカにされたのでイラついた記憶。今なら即座に鈎針で眉毛を全部細編みにしてやる。再掲になりますが、私が知っている落語の中で唯一編み機が出てくる「長島の満月」。笑点の黄色の人の二番弟子。一番弟子はきく姫師匠やでー。